となりのプリンス ( 2 ) (ページ1)

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夜の色へ染まっていく空は、自分の心をそっくりに映したみたい。夕食を食べる手が全く進まないわたしを心配そうに見つめるお母さんの表情。それよりも頭から離れなかったのは、かずくんのことだった。

「はぁ……… 」

ごはんもろくに食べず、ベッドへ放り投げた体。目を閉じても消えてくれない厄介な人。わたしにストーカーと言うけどかずくんだって一緒じゃない。恋を覚えたあの日から、今日も明日も明後日も、ずっとくっついてくるんだもん。

幼なじみなんていやだった。かずくんの彼女になりたいって、これからずっとわたしがとなりにいるんだって、あんなに意気込んでいたのに。いざその関係が壊れると思うと不安でこわくて目をそらしてしまう。

遊びでもいい。かずくんの周りの女の子と同じように、ただ愛してくれるなら……。そんな風に思っていたけど今はちがう。わたしだけ見てほしいの。

そんなとき、薄暗い部屋でスマホの画面が光った。送信主は絵文字ひとつない無愛想な、たった一行だけのLINEを送りつけて、きっとわたしを待っている。

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___ A、外おいで。

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スマホを片手に玄関を開けると、表札の前でもたれかかっていたあなたがわたしの姿をみつけて笑った。

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