祓い給へ清め給へ (ページ25)

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蛇の妬心には気を付けてページ25

(独占欲は案外剥き出しの方が心地好いのかもしれないという話)

あまり野球部以外で学生時代の思い入れというのはない。

クラスメイトとは当たり障りなく関わる程度だったし、特別仲良くしていたヤツもいなかったように思う。

異性と付き合ったことはそれなりにあるが、本当に好きで付き合ったのかと聞かれると、何だかよくわからない。

周囲に溶け込むように、変に目立たないように、それなりに見えるように、負の感情をなるべく向けられないように、―――打算的と言われればそれまでなのかもしれないが、当時の自分にとっては異物として排除されないことが何より大切だったのだ。

だからこそ愛想の良い笑みを浮かべては、拒絶せず、やんわりと距離を保って接してきた。

それが、相手からすれば優しさとして映り、自分だけに向けられているものだと思いたくなり、そうでないとわかった時には―――独占欲へと変わっていく。