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さぁ、名前を呼んでみようね ページ18

(一歩、踏み出してみた時のこと)


俺とそーいちはご飯に連れて行ってもらい、2人にミツさんのことについて相談に乗ってもらった。

俺達が入団した時には、すでに福さんのことを名前で呼んでいたため、まさか福さんまで苦労していたとは意外だった。
周平さんはもともと福さんと繋がりがあるし、気付けばこの2人で何かとミツさんの世話を焼いたりしていたから、距離が縮まりやすかったのかな。


福さんが最後に「Aは怖がりなだけで、嫌がってなんかいないと思うからさ」と言っていたし、今までのミツさんの態度を思い返すと、きっと拒絶ではないのだろう。






周平さんと福さんと別れた後、駐車場まで歩きながら、これからのことを考えた。

何がそこまで頑なにさせているのか、まだまだミツさんの本心はわからない事が多い。
それでも、少しでもその心に触れられたら良いなと思う気持ちは変わらない。


「…なぁ、そーいち。」
「俺さ、やっぱミツさんにちゃんと名前で呼ばれたいわ。こんなとこで諦めきれへん。」

「俺もそう思ってたとこ。ミツさんにはとにかく押してけって言ってたし、嫌がってるわけやないもんな。」
「それに、あの人きっと怒らんやろ。後ろから飛びついても笑って許してくれるもん。」

「は!?お前そんなことしてたん!?そーいち、自分のデカさ考えろや」

「ミツさんやってデカいから余裕っしょ。やったもん勝ちー」


いつの間にか俺とそーいちは笑い合っていて、帰りの足取りも自然と軽くなっていた。

何となく、明日はミツさんと上手く話せそうな気がした。

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作者名:すずめ | 作成日時:2024年3月25日 17時

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