祓い給へ清め給へ (ページ13)

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「それで？周平に大体のことは聞いたけど、今の呼び方じゃ不満なの？」

練習後、事情を聞いた俺と周平は、2人を連れて飲食店へとやってきた。
とりあえず空腹のままじゃ何だからと、ある程度腹を満たしたところで本題を切り出すことにした。
―――そして冒頭の問い掛けに戻る。

「不満っていうわけじゃないんすけど、もっとミツさんと仲良くなりたくて。だから呼び方から変えてもらおうって思ったんす。」

「…でも、思ったよりあの人、戸惑ってて。最初は照れてるのかなーって思ったけど、何か違うっぽくて。」

「俺等もミツさんを困らせたいわけやなかったんですけど。」

何か、ちょっと壁を感じちゃったんすよね。と颯一郎は寂しそうに呟いた。

……おや。
「意外と鋭いね、そーいちも。」

「"意外と"はいらないっす。」

「うーん、どうする?周平。」

「どうするも何も、なぁ。押せ押せでいくしかないで、これは。」

「俺らも昔は"周くん"、"さっちゃん"呼びだったからね。今思うと笑えるけど。」

ここまでになるまで苦労したなぁ、と福也は苦笑した。
その後2人で由伸と颯一郎を励まし、とりあえずガンガン行こうぜ！という何ともアバウトな助言をし、解散した。

押せ押せでいくしかないというのは、意外と的を得ていたりもするのだ。