アオハル返せ 番外編【稲荷崎】

卒業後 ページ25

稲荷崎高校を卒業後、私たちはそれぞれ別の大学に進んだ。と言っても2人とも県内なわけだけど。




遡ること3月末。久しぶりのデート。




待ち合わせ場所に行き、行き先を問うと不動産屋と言われ、理解のついていけない私に




「一緒に住まへんの？」




なんて、答え一択しか出しようのない質問をしてきたのが始まり。そこからトントン拍子に事は進んでいって、大学一年生にして同棲という形をとっている。




宮ママやおばあちゃんにばかりお金を出してもらうのはしのびないので、割のいいバイトを掛け持ちしてやりくりしている。当たり前だけどまだ全額負担ってわけにはいかない。




夜の11時、24時間営業のスーパーのバイトが終わる。着替えて外に出るとパーカーとスウェットに身を包んだ治くんが壁にもたれて待ってくれていた。




『治くん来てくれてたんだ』




治くんは目線を逸らしながら




「たまたま近く通ったんや」




と言った。見え透いた嘘に思わず笑ってしまう。




「……なにわろてんねん」




『いや？なんも？』




私が歩き出したのを合図に、治くんも歩き出す。




『治くんも今日もバイトだったの？』




「おん」




『4連勤じゃない？人足りてないの？あ！欲しいものあるんだ！』




「ある」




『なに??』




「指輪」




『へえ〜オシャレだね！』




「(意味わかってへんなコイツ)」




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まじで終わっちゃおっかな(白目)

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