アオハル返せ【稲荷崎】

7.#アオハル ページ8

かなり歩いたら(迷った)やっとこさ昇降口に着いた。




こんな風に放課後を過ごしたのも久しぶりだな。




徹に毎日追いかけられ結局は捕まり体育館へ連行され、マネ業をさせられ。小さい頃に知らない人にホイホイついて行こうとしたのを徹に助けられて以来過保護で。だから用心棒兼ストーカーなのだ。




でも私のことを思うならそっとしておいてほしかったなあなんて、考えごとをしていたから視野が狭くなっていたなんて言い訳するつもりは毛頭ない。




「やーっと捕まえたで、Aチャン？」




『げぇっ！宮くん!!』




どんだけ走り回ったのか汗だくの宮くん。宮くんと呼んでいるのはどっちか分からないから。




サムこっちおったでー！なんて叫んでいるから侑くんか。腕を掴まれてズルズルと引きずられる。




『ちょっと！離してよ！』




3人が侑くんと私の元に集まってくる。ほら、目立つバレー部の中にいるあの女だれやねん的な目で見られてるじゃん。




「ほないこか〜」




『ちょ、聞いてんの!?』




腕は掴まれたまま。

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