アオハル返せ【稲荷崎】

17.#アオハル ページ18

LINEの通知は止まることを知らない。先生の喋る声だけが響く教室内に、ヴーヴーとバイブの音が絶え間なく入る。




「山門さんうるさいで」




『大丈夫、私がいちばん分かってる』




授業が終わってアプリを開くと、ストーカーのほかにも矢巾から謝りのLINEが何件も入っていた。




通知のほとんどを占めるのはストーカーからだが。




迷うことなく私はストーカーをブロ削し、矢巾もブロ削したい衝動にかけられながらもブロックまでに留めておいた。




連絡先教えてほしいって矢巾言ってきた時めっちゃ必死だったからな。好きだったのかな、私のこと。
なーんちゃって、うっそぴょーん。




なんて頭の中で考えていると、昨日無表情で爆弾発言をしてきた北先輩を思い出した。




『北先輩って鉄仮面でも被ってんの？』




治くんに聞いてみる。




「え、なんゆーとん」




『いや、昨日真顔で爆弾投下してきたからさ、無表情の鉄仮面でも被ってるのかもしてないなって』




するとほう、と興味アリ気な治くん。




『いや、もしかしたらロボットかも。いつか涙が出た時に言うんだよ。”コレガ、ナミダ…？”って』




「ほんまもんやん」




そないなこと聞いてたまるかいな、と治くん。うん、私も聞きたくない。(なら言うな)

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