友達やめます。【白布賢二郎】

２２．友達 ページ23

『ダメに決まってんでしょバカか！』




先ほどより赤くなった顔をごまかすように怒鳴る。




「なあ、」




『ダメ！』




その恥ずかしい名称を言わせる前に拒否る。




『あんた風邪！うつる！』




「やだ」




やだじゃないよ




ゆっくりと、私と違う意味で赤い顔が近づいてくる。



ほんとにする気？熱で頭おかしくなった？




『ま、待て！』




空いてた方の手で口を押える。




あからさまに不機嫌になった白布の顔。




その顔したいのこっちなんだわ。




『ねえ白布、なに考えてんの？しっかりしてよ。




私たち恋人じゃないんだ、「うるさい」よ』




私の腰を抱いていた腕ではいつの間にか解かれ、それは私が口元を押さえていた手に伸びる。




掴まれて、さらに近づく端麗な顔。




あまりの近さにギュッと目をつぶる。




熱で熱い吐息が顔にかかる。恥ずかしすぎる死にたい。




でも、いつまでもやってこない感触に静かに目を開ける。




ありえないくらい近い距離にドアップの白布の顔。




やめてお願い離れて

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