拝啓もう一人の貴方へ【向井康二】 (ページ8)

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7番目の忘れ物ページ8

"康二"side

あかん

あかんよ

今から足掻いたって無駄なことぐらい

俺が一番よう分かっとる

ならなんでこんな時代に飛ばしたんや神様

だって

SnowManが解散した一番の原因は

俺の

「あの！SnowManの康二くんですよね！？」

『えっ、』

突然声をかけられ振り向くと三人ほどの女子がいた

「アタシ大ファンなんですよ！！」

「握手してください！！」

「サインはしてもらえますか！？」

考えなしに飛び出した俺があかんかった

この時代では俺は"芸能人"

変装なしにどっか行くには難しいに決まっとる

『ど、どうも』

どなんしようこの状況

「あれってジャニーズの」

「向井康二？」

「やばくない！？」

あぁ、また人だかりが

ほんまに困ったことになった

すると突然

肩をグッと掴まれ

「あー、俺らこの後仕事で

これからも応援よろしくお願いします」

聞き覚えのある声が聞こえた

『照兄！？』

「いくぞ康二」

近くに停めてあったタクシーに乗せられ

俺らはその場を後にした

「マジでビビったー

康二変装してなさすぎじゃね？」

『いや、これは、その、忘れとって』

「ほらとりあえずこれ被ってて」

渡されたのは照兄が被ってた黒のキャップ

『ありがとう、やけど

照兄はなんでここに？』

「ここ俺のランニングコースだから

てかお前、今日仕事じゃなかった？

グループLINEのスケジュールに

冒険少年って書いてあった気がするけど」

『え、あー、予定が変わって、なくなったんよ！！』

「なら良いけど、どっか行こうとしてたの？」

『ちょっと、家から離れたくて』

「Aちゃんと喧嘩した？」

『するわけあらへん！！！』

「じゃあなんで？」

『それは・・・』

俺が未来から来て、居づらくなったとか

言えるわけない

それ以前に信じてもらえるわけない

「・・・今日俺オフだし、うち来る？」

『っ、ええの！？』

「大層なもてなしはできないけど、それで良いなら」

『行く！！』

照兄は運転手さんに自宅付近へ行くよう伝えた

何も理由聞かずに家に連れてってくれるなんて

昔もかわらず優しい照兄や

「てか康二髪染めた？そんな色だったっけ？」

『え！？き、昨日髪染めて』

「ピアス開けた？」

『これも昨日たまたま！！』