拝啓もう一人の貴方へ【向井康二】 (ページ7)

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6番目の忘れ物ページ7

康二くんは"彼"の胸ぐらを掴んで

「冗談でも、

言って良いことと

悪いことも分からへんのかっ！！？？」

『・・・俺がっ、

冗談でそんなこと言うと思っとんの？』

"彼"は真っ直ぐ見つめた

その表情から

これは本当のことなんだと理解した

「っ、嘘や、

俺は信じへんっ！！！

ずっと9人で居るって、約束したんやっ、」

康二くんは涙を浮かべ、しゃがみこむ

「康二くん・・・」

『・・・』

すると

「・・・そうや、そういうことや！！」

突然康二くんが立ち上がった

「ど、どうしたの急に？」

「未来の俺が来た理由や！！！

もしかしたら

解散しないようにするために来たんとちゃう！？」

「えっ！？」

「未来の俺やったら

過去に起きた解散の原因を知っとる

それを聞いて俺が未然に防ぐ！！」

「なるほど！！さすが康二くん！！」

「やろ！？」

『・・・アホやなぁ』

「何やて！？」

『そんなん無理に決まっとる』

「やってみらへんと分からんやん！！」

『っ、あのなぁ、』

「ふふっ、でもこれが康二くんだもんね」

『っ、どういうこと？』

「どんなことがあっても

ただ呆然としてるんじゃなくて解決策を練って

現状打破しようとするの

諦めないことって

簡単そうに見えて一番難しいことだから」

「Aに褒められると嬉しいなぁ～！！」

"彼"は

『・・っ、とにかく俺は無駄なことには手は出さへん

ごちそうさま』

逃げるように外へ出ていった

「・・・なんか、違うなぁ」

「何が？」

「容姿とかはさ

未来の康二くんだから基本的同じだけど

性格がさ、根本的には同じなんだろうけど

何て言うか、

全てを諦めてるような感じがするの

康二くんらしくないっていうか」

「5年で、解散以外に何かあったんかもしれへんな」

「って、容姿は康二くんなんだから

外出ていったらまずくない！？」

「ほんまや！！追いかけんと！！」

「康二くん今日仕事でしょ！？」

「あっ！！！」

「私追いかけてくる！！」

康二くん用のマスクとニット帽、サングラスを持って

私は外へ飛び出した