Best Buddies Episode1 ページ38
「さく、ま?」
「ごめん、照っ、
暴力で怯えさせて、たくさんひどいことした
謝って許されることじゃないけど
ちゃんと、償っていくからっ、」
声も、俺を抱きしめる手も
震えていた
「・・・佐久間っ」
切なさや運命を越えるため名前を叫んだ
「俺、暴力に怯えてたんじゃない
佐久間が、"お友達"じゃなくなるのに怯えてた」
「"お友達"・・・?」
「俺、こんな見た目だから皆から怖がられてたけど
佐久間だけは俺自身をちゃんと見てくれた
それがすげぇ嬉しかった」
「でも、俺、照を弄んだんだよ?
裏で操作して、自分を信頼するようにって
こんなの、本当の、"オトモダチ"なんかじゃ、」
「佐久間は、人の喜ぶ顔、好きだろ?」
「え?」
「ニコイチ宅配便作るときにさ
宅配便は皆に幸福を届けられるって言った言葉に
嘘はないと思う
こんなことしたのも願いを実現させるためで
結果的には
誰かを悲しませることになったけど
その願いの根本には
誰かを喜ばせるためだったんじゃないかって思う」
「・・・あのね
俺の願いは
"健康な体でいたい"
体弱くてすぐへばっちゃうから
いつも皆に心配されて
そんな不安そうな顔を、もう見たくなかった
健康だったら皆と普通に遊べて、誰も傷つかない
だから一番になろうと思った
でも、元々体が弱い俺だけでは限界があった
だったら強いやつを味方につけて
そいつに願いを叶えてもらおうって思った
それからは色んなやつを暴力で従わせた
でも
願いには一歩一歩近づいているはずなのに
なんでこんなに苦しいんだろう
なんでこんなに辛いんだろうって
普通の体で青春して
照や蓮、阿部ちゃんや皆と
笑顔で過ごしたかっただけなのに
そんな皆に苦しい顔させてるって気づいた時には
もう戻れないって思ったんだ
ごめん、こんなしょうもない願いのために、
俺は皆をっ」
「しょうもなくなんてない
願いに大きいも小さいもないよ」
「結局俺らのためを思ってってことでしょ?
やっぱり佐久間は優しいよ」
「大介くんは俺らに大切な居場所を作ってくれた人だから」
「っ、俺、
皆と"お友達"になれて良かったぁ」
佐久間は陽だまりに咲いた花のように微笑んだ
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作者名:春のクマ | 作成日時:2022年8月4日 21時