佐久間大介Episode11 ページ37
「全部、
全部俺なんだよ
何度も何度も壊してっ！！
新しく作り直してっ！！！
表は上っ面の笑顔で、裏では暴力で従わせて
自分の欲望のために人の心を踏みつけたっ！！！
こんな悪魔みたいなやつを誰も許してくれるわけがっ」
「それはどうだろ？」
「え？」
「ねぇ目黒、佐久間のこと嫌いになった？」
「・・・大介くんは、俺の人生を変えてくれた
良い意味でも、
悪い意味でも」
「っ、だったら、」
「それでも、
もしあのまま大介くんに出会わなかったら
俺は死んでた」
「っ、」
「だから俺は心の底から
大介くんに出会えて良かったって思ってる
嫌いになんてなるわけない」
「でもっ、俺はもう、」
「俺だってやっちゃいけないことたくさんした
だから、一緒に償おう
時間はかかるかもだけど、照くんと三人で」
「蓮っ・・・」
「佐久間は・・・やっぱり俺と似てるね」
「阿部ちゃん、何、いって・・・」
「過去にしてしまったことはもうどうにもならない
でも未来は変えられる
仲間に教えてもらったんだ
俺もリセット出来ればって思ったこと何回もある
でもその度に自分が大嫌いになる
何勝手になかったことにしてんだって
もし過去を変えることが出来ても、
やっぱり変えちゃダメなんだよ
それは自分にとって大切な経験だから」
「経験・・・」
「一度間違えても
次間違えなければ良い
間違えた過去は次間違えないための大事な経験だってね」
俺のなかにあった黒い渦が
すっと消えていくような気がした
「・・・俺、やり直せるかなぁ、」
「その意志がある限りはいつでも大丈夫だよ」
ガチャ
「佐久間っ！！！！」
「阿部ちゃん！！いきなり薬玉はずりぃよ！」
「亮平、怪我はない？」
「ごめんごめん、怪我はないよ」
「やる時はやるって言えよな」
「それじゃ薬玉の意味ないじゃん」
「まぁ、無事で何より」
「佐久間、俺に命令を、次は絶対失敗しないから、」
「もういいよ、照」
「えっ、やだ、捨てないで、お願いっ、」
俺は照を
「ごめんね、もう俺の命令なんて聞かなくて良いよ」
ギュッと抱きしめた
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作者名：春のクマ | 作成日時：2022年8月4日 21時
