佐久間大介Episode4 ページ25
「そんな都合の良い噂ないでしょ？」
絶対詐欺だ
「それがあるんだって！！
今1番上にいる人は叶えてもらったんだって！」
「知り合いなの？」
「うん！
正確にはその人のグループに所属してる子とね！
だから俺、1番上に立って、
願い事叶えてもらうのが夢！！」
「さっき夢はないって言ったくせに
叶えてほしい願い事あるの？」
「願い事はあるよ！！
夢は自分でも叶えられるものだけど
願い事は自分で叶えられないものだから
お願いするんだよ！！」
なんかそれっぽいこと言ってる
「俺が医者になるのと佐久間が上に立つの
どっちが早いだろうねー」
「へへっ、負けないよー！！」
「ふふっ、望むところ」
それから俺らは友達になって
高校は別々になっちゃったけど
よく遊ぶ仲になった
急に阿部くんから阿部ちゃん呼びになったのは
びっくりしちゃったけどね
そんなある日
佐久間が新しいオトモダチを連れてきた
「こっちは照！！俺の友達！！」
「どうも」
岩本照くん
怖そうな見た目をしてるけど甘党男子で
佐久間とは身長差があり過ぎて笑っちゃった
「よろしくね照くん」
「照で良いよ、多分同い年だよね？」
「え、そうなの！？
めっちゃ大人びて見えるからびっくりした！」
「もうー！！
佐久間さんより年下なのにー！！」
そうそう
てっきり同い年と思ってた佐久間が
実は先輩なのも驚いたんだよね
そんなことを思っていたら
「あれ、照、ここ怪我してるよ！？」
照の腕に切り傷を見つけた
「あー、上の先輩と喧嘩した時のやつ
ほっとけば治るよ」
「ダメだよー！！
阿部ちゃん先生治療してあげてー！！」
「OK、用意するね」
「なんかごめんな」
「いいって」
でも
照は喧嘩とかバチバチにしちゃうタイプで
佐久間はどちらかと言えばインドアで
「ねぇ、2人はどうやって知り合ったの？」
「喧嘩してる照見て
ヤンキー漫画みたいでかっけー！！って」
「それで話しかけたの！？」
「うん！」
今回は照が良い人だったから良いものの
ガチのヤンキーだったらどうなってたことやら
まぁ、注意しても聞かないしなぁ
「治療終わり！
これからも佐久間と仲良くしてあげてね、照」
「おう」
この時はまだ笑顔を失っていなかった
早く、おかしいと気づけば良かった
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作者名：春のクマ | 作成日時：2022年8月4日 21時
