Snow Mafia (ページ19)

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佐久間大介Episode1 ページ19

昔聞いたんだ

一番上に立ったら

何でも一つだけ願いを叶えてもらえるって

まるでアニメの世界のような話

小さい頃の俺は目を輝かせて聞いていた

でも昔から体が弱かった俺では一番にはなれない

なら

俺の代わりを探せば良いんだ

「ふぁー、はよ涼太、阿部ちゃん」

「おはよう翔太」

「おはよー」

机には涼太が作ったフレンチトーストが並んでいる

「あれ、ふっかは？」

「バイト」

「あぁ、バイト

えっ、バイトっ！！？？

何でマフィアがバイトしてんだよ！？」

「普通は潰した相手の金を取って

規模を広げていくんだけど

うちは理由もなく

自分から他の所を攻めたりしない

ってことでお金を貯めるにはバイトしなきゃってこと

俺もフリーランスで稼いでるし」

マジかよ阿部ちゃん

くそ、医者は高収入だもんな

確かに前までは暗殺で稼いでいたけど

今はそういうわけにもいかないし

「俺らも働かないとやばいってこと？」

「そういうこと。食費も増えたしねぇ～」

「辰哉はどこで働いてるの？」

「あぁ、ふっかは」

ピンポン～♪︎

誰か来た・・・？

とりあえずインターホンに一番近い俺が出る

「はい」

『どうもー！！ニコイチ宅配便でーす！！』

マフィアの本拠地にそんなの来るわけないだろ

絶対罠だ

「あ！！」

ガチャ

躊躇いもなく阿部ちゃんが扉を開ける

「阿部ちゃん！？」

「わーい！！！」

ピンク頭の男が阿部ちゃんに抱き付いた

咄嗟に武器を取り

「てめぇ離れろ」

「亮平、今助けるから」

臨戦態勢に入る俺ら

そしたら阿部ちゃんが笑って

「大丈夫だって、ね、佐久間？」

「あれあれ、阿部ちゃんのお友達？」

「そうそう」

「じゃあ俺の友達じゃん！！

俺佐久間大介！！好きなものはアニメ！！

よろしく！！」

「お、おう」

なんだこのハイテンション陽キャは

「こらこら、二人びっくりしてるから

友達の佐久間、宅配業者で働いてるの」

「運び屋ってことね」

「いや、本当に普通の宅配業者」

「マジで！？」

「ほら、佐久間アニメ好きだから

マフィアとか聞いても驚かないんだよね」

「ねぇ槍と刀で戦うの！？必殺技は！？」

こいつ、読めねぇ・・・