【2bro.】君のまにまに２

Will you marry me03 ページ7

「なんかちょっと照れるね」
あの日の事を思い出していると、気持ちまでがその時に戻ったみたいでドキドキした。
夕陽を見ながら綺麗だなって思っていると突然兄者が足を止め、繋いでいた手が離れる。
「兄者？」
名前を呼びながら振り返ってみれば、兄者が片膝をついていた。
「A…」
どこに隠していたのかケースを開けて、指輪が差し出された。
その指輪は私の母が持っていた指輪にとても似ていた。
「ごたごた前置きするのは柄じゃねぇから…」
一度俯き深呼吸をしてから、再び私と視線を合わせる。
「A、俺と結婚して下さい」
静かな海で兄者の声が私の鼓膜を震わせる。
答えなんて決まっているのに、声が上手く出せなくて、代わりに涙が頬伝う。
私は答える代わりに兄者に抱きついていっぱい頷いた。
そんな私を兄者が抱きしめる。
「あー緊張したっ」
その言葉に思わず笑ってしまう。
「兄者でも緊張するんだね」
「そりゃするだろ」
本当にホッとしたようで大きく息を吐いてから私の顔を覗く。
「これからもよろしくな、俺のお嫁さん」
「はい」
笑顔で返事をして兄者をキツく抱きしめた。



fin


—おまけ。
最近の兄者の行動は自分なりに結婚した時のシュミレーションをしていたらしい。
私の手を必要に触っていたのは指輪のサイズを知るためだったとか…
弟者くんの指輪相談も実は私の好きな指輪がどんなものか探りを入れる為だったらしい。
それを知った後、弟者くんから「ごめんね」と連絡が着た。



haru様
リクエストありがとうございました。
如何でしたでしょうか？
気に入って頂けたら、これ幸いに思います。

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