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賽は投げられた02 ページ11

「彼氏とかいないんですか?」
「いませんねー」
「俺とかどうです?」
「え?」
突然の事にフリーズしてしまった私。
「おっ前やめろよ。Aさん困ってっから」
「えーいいじゃん。少ない出会いの一つに運命を求めたって」
「アホか」
「成田ー部長が呼んでるー」
喫煙所のドアが開けられ、同じ部署の人だろう人が成田さんを呼ぶので成田さんは「それじゃーね」と出て行った。
「騒がしい奴だな」
呆れながら言うおついちさんにクスクス笑っているとすみませんと謝られた。
「いえ、全然」
「Aさん」
「はい?」
「今日は仕事終わりに予定とかありますか?」
「特には無いですよ」
「なら、飯でも行きませんか?」
「え?」
私は再びフリーズした。
「あ、嫌なら断ってもらって全然良いんで」
「そんな、嫌とか」
「ならOKってことでいいですか?」
「はい」
笑顔で返すとおついちさんも笑顔になって良かったって言いながら胸を撫で下ろしていた。
その日の仕事はすこぶる順調で17時を告げる音楽が鳴り始める前には終わっていた。
帰り支度を済ませ、お先に失礼しますと部署を後にした時、そこでどこで待ち合わせるか決めていなかったことを思い出しどうしようかと悩んで、とりあえず喫煙所に向かう事にした。
「お疲れ様です」
喫煙所のドアを開けるとおついちさんが煙草を吸いながら待っていたので声を掛ける。
「ああ、良かった。会えなかったらどうしようかと思ってたんです」
「私も同じ事思ってました。なんとなくここにいたらいいかなぁ〜って来てみたんです」
「Aさんが、同じ事考えてくれる人でよかったです」
2人でクスクス笑って、これからはこういうことが無いようにって連絡先を交換した。
「それじゃ、行きましょうか」
おついちさんの言葉を合図に私たちは会社を後にした。
駅近くの個室のある居酒屋に入って注文を終え、先に来たビールで乾杯をする。
「それにしても、どうして急にご飯に誘ってくれたんですか?
「知りたいですか?」
「はい」
少し意地悪な言い方に持っていたビールを一口飲んで答えた。

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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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水越空真(プロフ) - haruさん» 良かったです!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)mまた、機会があればリクエストして下さいね♪ (2021年5月1日 2時) (レス) id: b7c5eb5cb5 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - 兄者のお話、とっても良かったです!!これからも応援しています!頑張って下さい! (2021年4月30日 21時) (レス) id: 315d7f72bf (このIDを非表示/違反報告)
水越空真(プロフ) - プロポーズですね。気に入ってもらえるよう頑張ります!気長にお待ち下さいませ。 (2021年4月22日 23時) (レス) id: b7c5eb5cb5 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - 水越空真さん» お返事ありがとうございます!彼女設定で兄者さんからプロポーズなんて設定でも大丈夫でしょうか?? (2021年4月22日 22時) (レス) id: 315d7f72bf (このIDを非表示/違反報告)
水越空真(プロフ) - haruさん» コメ&リクありがとうございます。兄者ですね!畏まりです!こんなのがいいとかありますか?幼馴染でとか彼女設定でとか…無ければ好き勝手書いていきます(笑) (2021年4月22日 22時) (レス) id: b7c5eb5cb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水越空真 | 作成日時:2021年4月22日 17時

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