諦めたくない ページ26
sideシルク
「なんっすか?」
涼子「お前。Aの事、好きだろ?」
ストレートな言葉に思わず言葉が出ない俺。そんな俺を涼子さんはジッと真っ直ぐに見ていた。
涼子「否定しないのな。言っとくけど、お前には無理だ。やめとけ。」
「…は?」
涼子「お前、ウチの可愛い子ども達と遊んでくれて。案外いい奴だから言ってんだ。」
「理由は?」
涼子「Aの過去。聞いた事あるか?なんで、ウチに一緒に住んでんのか知ってるか?」
「知らない」
涼子「知らないって事は、お前にはその程度の信頼しかしてないって事だ。だから、諦め…」
「諦めねーよ。絶対。」
涼子さんの言葉に被せるように出た言葉。いや。諦めたくない。って気持ちがしっくりくる。
やっと、動き出した気持ちを同居人に信頼されてないって言われただけで。諦められる訳がない。
そんな簡単な話なら、そもそも俺は今此処に居ないしな。なんて、乾いた笑いが溢れると
涼子さんは、「そうか」そう、小さく言葉を発した。
涼子「なら、いい事教えてやる。」
「…なんだよ」
涼子「アイツ、彼氏いないから。頑張ってみれば?」
「諦めろとか、頑張れとか…意味わかんねーな」
涼子「アタシは、Aに幸せになってほしいだけだ。お前は、案外。いい奴だと思ってるから、一応応援してやるよ」
態とらしく。案外と言う言葉を強めに言う涼子さん。
これは、言葉の通り受け取っていいんだよな?
涼子「ただし。泣かせるような真似したらタダじゃおかないからな。」
「勿論」
力強く頷くと、涼子さんは優しく笑った。
よくよくちゃんと見れば、背は高くて髪も短髪だけど綺麗な女性で。なんだかんだ言っても、母親なんだよな。と、妙に納得させられるような顔をしていた。
小川「リョウちゃん。シルクくんも、何してるの2人して。」
涼子「内緒話し♡」
「その言い方ヤメろ!」
涼子「じゃあ。言っていいのかな?ん?」
小川「何が?」
涼子「あのねー?」
「マジ、ヤメて。本当に。すいません。」
涼子「あははは!」
コイツ、本当に応援する気あんのか?
そう疑いたくなるような。からかう涼子さんは楽しそうで。掴めない人にただ、振り回されてる俺。
小川「2人。随分仲良しだね。」
涼子「妬ける?」
小川「もー、冗談言ってないで。ほら行くよ?みんな待ってるから。ほら、シルクくんも」
でも、Aさんの顔を見て。やっぱり諦めらんなんわ。って再確認する俺がいた。
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まひろ(プロフ) - かなとさん» コメントありがとうございます。すいません。外すのを忘れてました。ご指摘感謝します。 (2019年10月19日 11時) (レス) id: 5f80a217b3 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の注意文をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です。ご本人様方にも迷惑がかかります。ルールというものをちゃんとご確認下さい (2019年10月19日 8時) (レス) id: fca7c03b31 (このIDを非表示/違反報告)
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