近界民人形（ネイバードール）は自由を求める【ワールドトリガー】 (ページ3)

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目が覚めると、見覚えのない景色が目に飛び込んできた。見たところ部屋みたいだ。
部屋…部屋！？私まさか捕まっちゃったの！？今トリオン体じゃないみたいだし、どうしよう。
？「おぉ、ようやく起きたか」
！！
青いジャージのようなものを着た男性が入ってきた。とっさに身構える。身構えたところでなにもできないけれど。
？「そんなに警戒しなくても、なにもしないから大丈夫だよ」
次にメガネをかけた女性が入ってくる。知らない人間に大丈夫と言われて安心できるわけがない。
迅「俺は実力派エリート迅悠一。おまえをここまで運んできた奴だよ」
宇「私は宇佐美栞。よろしくね」
迅「おまえの名前は？」
貴「ミカ…A」
迅「Aか。門の近くで倒れてたってことは、おまえ近界民だよな」
貴「…」
返答に困る。正直に言えば殺される。うまい言い訳も思いつかない。
迅「大丈夫。俺たちはおまえを殺したりしない。もし殺したら俺を呪い殺せ」
貴「…本当に？」
迅「本当に。約束するよ」
貴「…」コクッ
自分が近界民であるということを認めた。
迅「じゃあAがいた国の名前は？」
貴「覚えてない」
迅「自分の年齢は？」
貴「覚えてない」
この質問は必要なのかな？
宇「うーん。Aちゃん、こっちに来る前までなにしてた？」
貴「誰かに追われてた。トリガーも起動させて、たくさん人を殺してた」
宇「門は誰が開いたの？」
貴「私」
宇「なるほど。もしかしたら、記憶の一部が抜けてるのかも」
迅「それどういうことだ？」
宇「追っ手を食い止めるためにトリオンを限界まで使って、なおかつその状態のまま門を開いた。門にもトリオンを使うから、足りないトリオンの代わりに記憶が飛んで行っちゃったんだと思う」
貴「記憶障害…」
迅「参ったな。せめて年齢くらいははっきりさせとかないと。面倒だから俺と同じ19歳でいいや」
宇「そんないい加減な。いい？Aちゃん」
貴「大丈夫だよ」
迅「んじゃ決まりだな。そろそろ仲間も帰ってくるからそれまで寝てていいぞ」
貴「…」
迅「大丈夫。俺たちの仲間だ。絶対におまえに危害を加えたりしないよ」
貴「…わかった。ありがとう悠一」
悠一はニコッと笑うと部屋を出て行った。栞もそれに続いて出て行った。
…あ、ここはどこだか訊くの忘れた。