【狼ゲーム】私に触らないで。【飯田 リンタロウ】【新村コウ】【霜月 ユキナリ】

賭け ページ45

コウ「ふん……殺したければ殺せ。」

A「あぁ。それじゃあ、また来世。」

……どうして。

引き金にかけた指が動くことを拒絶している。

少しモニターが気になって一瞬だけ見ると、ミサキにかなり違和感を感じた。

A「……まさか！」

銃を構えるリンタロウ。

何かを言うユキナリ。

何かを強く決心したようなミサキ。

これは……リンタロウがユキナリを撃って、ミサキがユキナリを庇うパターンだ……

どうする……考えろ…！

コウ「おい、どうした？というか、そこの赤いボタンは脱出ボタンか？」

……そうか！

A「いい事言うねコウ……これは狙撃スイッチだ。」

これで……飛んでくる弾を狙撃して弾く。

成功率はかなり低い。

連射すればいいんだろうけど、あいにく弾は3発しか残っていない。

そう思っていると、リンタロウの指が動いた。

急いで私は3発撃つ。

……撃ったはいいけどちょっとタイミングが遅れた。

みんな無事か…？

ミサキは腕をかする程度で済んだようだ。

…………よかった……

コウ「……お前、何をして」

A「……人を助けた。本当は許されないけどね。」

と、その時。

ﾄﾞｯｶｱｱｱｱｧｧｧｧｱﾝ!!!

コウ「な、何が起きたんだ！？」

A「……嘘…！！」

コウ「どうした、A？」

A「この部屋……燃えてる……黒焦げになっててどの部屋か分からないけど……」

コウ「これは……独房病室みたいだな……」

A「なんで爆発が……」

コウ「待て、これはかなりまずいぞ……」

A「……？」

コウ「廊下でかなり燃え広がっているみたいだ……」

A「リンタロウが笑ってる……リンタロウ、お前はこれを望んだのか？」

コウ「おい、逃げるぞ！」

A「私はいいよ。置いてって？お願いだから。キッチンの緊急脱出口を使うんだ。」

コウ「だ、だが……お前はそれでいいのか？」

A「あぁ……ほら、早く行きな？炎が来る前に。」

コウ「……お前も、早く逃げろよ。」

そう言ってコウはキッチンへ向かう。

リンタロウ達は……

よかった、ミサキちゃんがなんか説得してみんなで逃げてるみたい。

…………私は、この建物の中をよく見てみる事にした。

危険？そんなの知ってる。

……私は、生きることに不安を感じていた。

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