【狼ゲーム】私に触らないで。【飯田 リンタロウ】【新村コウ】【霜月 ユキナリ】

第2章〜様子見〜 ページ5

まずい。

羊のカードを引いたとはいえ、最初から不利な方向に転んでしまっている。

あの部屋で最初から眠りこけて、誰かが死ぬ事を聞いても平然として。

最悪、この主催者が私だと思う人も居るかもしれない。

部屋にそのまま居ればよかったかな、そうすれば誰かと話が出来たかもしれないのに。

明らかに怪しい人物になってしまったおかげで後から来た人に話しかけにくくなってしまった。

？？？「あ、あの……」

ふと話しかけてきた人物がいた事に驚いた。

明らかに怪しい人にわざわざ話しかけてくるなんて相当肝が据わった人だ。

A「えっと……ユキナリ、っていったっけ。」

ユキナリ「あ、はい。あの……」

A「そんなにかしこまらなくていいよ、ほぼ同い年くらいだろうし。呼び捨てで構わないよ。よろしくね」

ユキナリ「よ、よろしく……」

随分緊張した様子だ。

A「怖いのに話しかけたの？変わってるね……もしかしてさっき先に出て行ったことが気になるの？」

ユキナリ「うん、何か理由があったのか気になって。」

A「大した理由ではないんだけどね、結構混乱しちゃってたから頭を冷やそうと思って」

そう、さっき不自然なほど平然としてたのは混乱のせいだ。

きっと……そう。

？？？「キャアアアアァァァァァア！！」

ユキナリ「……！！」

A「この叫び声……多分あっちだ」

この叫び声は声の聞こえる方向や大きさ的に植物室だろう……なんてハッキリ言おうものなら狼だと思われそうでつい濁してしまった。

その代わりにこっちこっち、と先を歩く。

辿り着いた植物室には動揺する沢山の人。

さっきまでニコニコしていたミホさんの死体。

その死体から溢れる、赤い血。

あぁ、やっぱりだ。

泣きそうな顔をしている人も居るというのに、私は何も感じていない。

ユキナリ「A…？大丈夫？」

A「……平気。ただちょっと、頭が追いついていないだけ」

私は……誰？

私→←メリーとウルフ

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