第120話 ページ27
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「あ、今お茶出しますね……」
「あー構わんでいい、お前その様子だとマトモなメシ食ってねえだろ。昨日の夕飯思い出せるか」
「昨日ですか……マラサダとコーヒー……？あ、でも22時に食べたからもうお夜食……？」
グリーンはこの回答に深く深くため息をついた。
「つかククイ博士結婚してんじゃなかったか。奥さんどーしたよ」
「バーネット博士は出張です」
「かーっ、肝心な時にいねえのかよ！」
「今の時期は研究者たちの繁忙期ですから……」
それを聞いたグリーンはもう一度大きくため息をつくと、「レッド出かけるぞ！」と踵を返した。
「30分後にもう一度来るからな！」
そう言い残し、グリーンはレッドを引き連れ出ていってしまった。
「……」
Aはしばらく呆気に取られていたが、
「……準備に戻ろ」
と自室に戻っていくのだった。
そして、約30分後。
宣言通り、もう一度グリーンがレッドと一緒にやってきた。
出迎えたAは、グリーンの手にレジ袋が提がっているのを見つけた。
「グリーンさん、お買い物してきたんですか？」
「おう、ちょっとキッチン借りるわ」
「ええ、構いませんが……」
「あとで呼びに行くから、学会の準備だっけか、進めてていいぞ」
「は、はあ……」
Aは何が起きているのかサッパリわからなかったが、とりあえずグリーンの指示に従って、資料作成に戻ることにした。
(グリーンさん、いったい何がしたいんだろう……？)
20分ほどのち。
コンコンコン、とAの部屋のドアがノックされた。
「はあい」
ドアを開けると、目の前にはグリーンが立っていた。
「よ、早速なんだが、ククイ博士連れてキッチンに来いよ」
「お兄ちゃんも一緒に？」
「おう、なるはやでな」
「……？」
グリーンはひらひらと手を振って戻っていってしまったため、Aはとりあえずククイ博士を呼びに行くことにする。
地下の研究室に行くと、ククイ博士は一心不乱にパソコンに向かいキーボードを打っていた。
「お兄ちゃん」
Aが大きめの声で呼びかけると、ククイ博士はゆっくりとこちらを見た。
「……なんだい？」
「今グリーンさんが来てて、お兄ちゃんと私にちょっと来てほしいって」
「グリーンくん？」
「うん……」
「来客とあれば仕方ない、上に上がるか」
ククイ博士はぐーっと伸びをして、Aに続いて1階へと向かう。
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年8月3日 23時
