第119話 ページ26
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「グリーンさんも？あんなにダイゴさんのこと敬遠してらっしゃるのに」
「あーいや別に嫌ってるとかではなくてだな！なんというか、あー、とにかく！オマエが行くってんなら俺も一緒に行きたい！それだけだ！」
この言葉を聞いたミツルは、「グリーンさん今ちょっと強めにアプローチ掛けましたね！」と直感し感動したのだが、
「それじゃあもしそういう機会があったらご連絡しますね。グリーンさんがいらっしゃるならきっとレッドさんも一緒ですよね、連れ出す理由になってよさげですね！」
と特に何も気に留めることなく返答したAを見て、「スルーされてるー！！」とグリーンを不憫に思ったとか。
それからしばらく経って。
シロナとカトレアは数日前に帰郷し、現在はミツルだけがアローラに残っている、そんな今日この頃。
Aは研究所の自室にこもる生活を余儀なくされていた。
次の学会にあたって演題を提出したのに、その準備が後手後手になっていたのである。
掲示資料作りに配布資料作り、発表原稿作成、発表の練習。
やることだらけで、Aは落ち着いて昼食を食べる暇もなく作業に追われていた。
じゃあククイ博士がAの分の昼食も作ってくれるのかといえばそうではなく、ククイ博士はククイ博士で、論文の締め切りが近いので執筆が大詰め。
つまり、このククイポケモン研究所にいる研究者二人は、ここ数日マトモな生活を送っていないのであった。
そして、数日もの間バトルツリーにAが顔を出さないとなれば、グリーンもレッドもこれはおかしいと判断するものである。
そんなわけで、現在、グリーンとレッドは手土産のお菓子片手にククイポケモン研究所を訪れたところであった。
ピンポーン、とチャイムを鳴らすと、しばらくののちAが顔を出した。
のだが。
「な、オマエなんだよその顔クマひでぇぞ！？」
グリーンがそう叫ぶくらいには、Aの目の下にはくっきりとクマが現れていたのである。
「あ、グリーンさん……レッドさんも……すみません、学会準備に追われてて……」
「寝てねえのか」
「いえ、寝てはいますよ……いつもの半分ですけど……」
「おい完ッ全に寝不足じゃねーか」
「お兄ちゃんも同じですので……論文締め切り近くて」
「……とりあえず入るぞッ」
グリーンは有無を言わせずにレッドを引き連れて研究所内に上がり込む。
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年8月3日 23時
