一話 ページ2
目の前には、大きなお屋敷。
不気味なオーラが漂っているものの、明かりはついているため、人がいることは理解した。
なぜ、こうなったか、って??
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿綺麗な、真っ白の犬についてきてしまったから。
いや、多分迷い犬で。首輪もついてたし…
助けないと、って思ってしまったから。
その犬は見失ってしまったし、帰り道も忘れてしまったし、さらには雨も降っている。
今は、夕方。もう日が暮れかけている。雨のせいもあっていつもより少し暗い。
とりあえず電話を、借りたいな…
大きなドアをｺﾝｺﾝとノックすれば、しばらくして中から男性が出てきた。
「…こんなところに、一体なんのご用事で」
出てきたのはいかにも怖がりっぽい男性。
白いマスクに赤い×印が目立っている。
A「電話を、お借りしたいのですが」
「…待っててください」
そんな話をしている間にも、雨は強くなる。
この、大切なパーカーも肩の部分はもうびしょぬれだ。
最悪、本当に。
しばらく、まてば、また知らない男性が。
「ようこそ」
そう声が聞こえたと思えば、すぐさま腕を引かれて家の中に倒れこんだ。
フローリングが頭と肩に当たり、痛い。
目の前の男性に腕を押さえつけられ、ナイフを突きつけられた。
不思議と、怖さはなかった。
…怖すぎて、分からないだけ??
「貴様、スパイか??」
サラサラの金髪に、真紅の瞳がこちらを睨む。
引き込まれそうな、鋭い瞳だ。
A「…違います、手には何も持ってないですし…この森に迷い込んだだけで」
そう言うしかなかった。
「グルッペン、やめたげて」
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作者名：融解 | 作成日時：2018年4月23日 21時
