レシピ36 ページ45
一般呪術師side
「………………………………」
こんにちは。
またまた黙っている俺です。
一心不乱に手を動かし、周りに視線を気にしないようにしているものです。
汗がだらだらですが、それでも尚、手を止める事なく、野菜を切っているものです。
「………………………………」
正直に言おう。
息苦しい!苦しすぎる!
俺が呪術師と言う理由があってか、先程から呪詛師と呪霊の視線が痛いのである。
先程から突き刺さる視線が、俺へと集中しています。
そんな中、
ただ、呑気に作業を進めている方が二名。
一人は皆さんも予想しているだろう。分かっているだろう。そうです、Aです。Aさんでございます。
では、もう一人は誰か?
分かりますかね?
先程から鼻歌を歌っている秀さんです。
呑気に歌を歌っています。
「あのーーー秀さん」
気になった事があり、俺は隙を盗んで、秀さんの耳に顔を近づけて言った。
「秀さんは、呪術師ですけど強烈な視線を感じたりとかしないんですか……?」
そう。秀さんだって呪術師である。
Aさんは辞めたのでこの際対象外だが、秀さんは呪術師だ。
いつでも呪詛師、呪霊を襲うことだって出来るはず。
なのに秀さんは呪霊たちに手を出すこともなく、殺意を向けることもなく、呪霊側からも秀さんを睨みつけていない。
「あーーーーーー」
と彼は言った後、今度はあははと笑いながら言った。
「ま、最初は真人とかに色々言われたりしたんだけさ、ひにひにそんなことなくなって。
元々俺は、夏油さんの後輩だったし、最初はAと呪霊達が料理している光景に驚いたけど、呪霊に殺意なんてなかったんだよね。
だからいつのまにか呪霊とも仲良くなっちゃった」
語尾に星がつきそうな勢いで秀さんは笑った。
え…………
「え………………、引くわぁ」
本当はこんなこと言うはずじゃなかった。
本当は先輩、夏油の後輩だったんですか!?とか、真人に一体何を言われたんですか!?とかあったと思う。事実、そんな言葉を言おうと思ってた。
なのに、口から出た言葉は、
え…………、引くわぁ
だった。
その後、秀さんは膝を抱えて壁のすみにいたという。
そして、「え………引かれるのか、俺。え……まじか………」と、唱えていたらしい。
本当御免なさいい………。
後で土下座をした一般呪術師であった。
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紫月(プロフ) - 蓮華さん» 返信遅れてすみません。そう言ってもらえて何よりです!! (2021年10月29日 20時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - すごい面白いと思います。 (2021年10月17日 15時) (レス) @page8 id: 57d0ae7b34 (このIDを非表示/違反報告)
紫月のサブ(プロフ) - 夢花さん» 一級呪術師「夢花さぁぁぁぁんん、あざまっっっっっす!」(サブ垢から失礼) (2021年10月10日 19時) (レス) @page47 id: cdc946147d (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 一般呪術師先ぁあああああい!!!!長らく!!!お疲れ様でしたぁああああああ!!! (2021年10月9日 14時) (レス) @page50 id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
紫月(プロフ) - 蕾猫さん» wwwwwありがとうwございwますwwwww (2021年10月1日 20時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
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