絶対的な幸福理論０４ ページ22
今日は久しぶりにレットと帰る約束をしている。
レットの目は赤くなり、充血していた。
涙の跡だって消えていない。
やっぱりさっきのは見間違いなんかじゃなかったんだ。
炎天直下、坂道の上。滲んだ俺らは歩いていた。
ふてくされたようにレットは呟く。
「いやぁ。一緒に帰んの久しぶりじゃん」
俺はぶっきら棒に答える。
「･･･ああ」
「どうしたのさ、A。浮かない顔して」
「･･･」
俺はレットから目を逸らし、夕焼けを見つめる。
「お前さ、俺に何隠してんの？」
「べ、別に隠してなんかいないよ？いつもの俺じゃん」
嘘だ。
レットは嘘をついた。
正直者のレットの、“初めての嘘”だ。
俺はスタスタとかなり速いテンポで歩いていく。
「待ってよ、A！」
･･･なにが“待って”だ。
本当は、ついてくる気なんてないのに。
「･･･先帰る」
「なんで？急にどうしたのさ」
レットは俺の手を掴む。
･･･散々無視しておいて今、この態度かよ。
俺の中の“何か”が弾けた。
「俺に構うな。どっかへ行ってくれ」
君の手を払った。
レットは困惑した表情で「いかないよ」なんて言ってまた俺の手を掴んだ。
俺の苛立ちが増す。
「五月蝿いな、離せよ」
俺はちょっとの先を振り返らずに歩いた。
「嘘つきレット」
俺が言える義理じゃない。
「お前なんか嫌いだ」
けどやっぱりムカつく。
みんな嫌いだ。
“本当の心”は、どっちだろうね。
「･･･A･･･」
レットは悲しそうに俯いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【トリップ】嘘つきテディの幸福理論【ｲﾅｽﾞﾏｲﾚﾌﾞﾝＧＯｷﾞｬﾗｸｼｰ】 ｐａｒｔ２
【トリップ】嘘つきテディの幸福理論【ｲﾅｽﾞﾏｲﾚﾌﾞﾝＧＯｷﾞｬﾗｸｼｰ】 落ちた先にはアースイレブンの面々が待ち構えてました!! part2だよ!!もっと見る
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮＊魔王＊雪城（元・れもねーど）(プロフ) - イチリンゴさん» このあとは、あんなことやこんなこと･･･ふはははｈ(( (2013年11月20日 20時) (
レス) id: 5d96ae1862 (このIDを非表示/違反報告)
イチリンゴ - 思ってもいなかった展開になったりして、ムッチャ面白いよ!!このあと、どうなるか楽しみ☆ (2013年11月20日 0時) (レス) id: c20bb5e343 (このIDを非表示/違反報告)
蓮＊魔王＊雪城（元・れもねーど）(プロフ) - ふぉぉぉぉおお、マジっすか、頑張ります!! (2013年11月15日 18時) (レス) id: 5d96ae1862 (このIDを非表示/違反報告)
風花火 - 蓮＊魔王＊雪城（元・れもねーど）さん» ↓にびっくりしました。 蓮＊魔王＊雪城さんの小説を読ませて頂いたとき、とても面白くパート１から一気に３までいきました(´･ω･`) 展開が楽しみです！頑張ってください！ (2013年11月14日 21時) (レス) id: e25f7cc921 (このIDを非表示/違反報告)
蓮＊魔王＊雪城（元・れもねーど）(プロフ) - だれかぁぁぁぁ、コメってくれぇぇぇぇえぇえええ← (2013年11月13日 22時) (レス) id: 5d96ae1862 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蓮＊魔王＊雪城 | 作成日時：2013年11月8日 16時
