くじら一家の末っ子くん part2 (ページ48)

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くじらの成長ページ48

『まーにぃ！』
「よいよい、こっちこれるか？」
『いくー！』

時は流れ、Aが3歳になる少し前
広い甲板をとてとて、と両手を広げながら歩くAと少し離れたところでAを抱きしめるための両手を広げるマルコの姿があった

「よーし、これたねぇい」
『よぃよぃ？』
「よいよい、だねぇい」

マルコはAを抱き上げて、母カルミアのところへ連れていく
カルミアは洗濯かごを持っていた

『かぁーさ！』
「あらー、マルコに遊んで貰ったの？」
『うんっ！』
「カルミアさん、洗濯干しは俺とかがやるんで休んでくれよい」
「あら、私のお仕事だから気にしないで」
『A、やるー』
「あらあら手伝ってくれるの？」
『うんっ！てつだう！』

かごをもとうと、マルコの腕のなかから抜け出して母のロングスカートの裾を握る

「マルコにありがとう、は？」
『あーと！まーにぃ！』
「よいよい」

手を降れば大きく腕を降って降り返す姿に成長を感じてしまったマルコは暫くその様子を見送った

『んんー、こぉー？』
「そうそう」
『んんー、ちゃうのぉ！』
「えー？」
『かぁーさのと、ちゃうのぉぉぉ』

カルミアにやり方を教わっているようだが、どうやらカルミアの様になっていないからと泣き出してしまった

「あらあら」

そんな息子を抱きしめて、大丈夫、大丈夫と背中を優しく叩いてやる
すると、Aは寝てしまったようだ
これにまたカルミアはあらあら、とこぼした

「A寝ちゃったの？」

ひょこっ、と現れたのはハルタとイゾウだった
小声でそう話しかけAの顔を覗く

「泣きつかれちゃったみたい」
「洗濯、俺たちがやっておくからカルミアさんは部屋に戻ってください

…顔色が少し悪いです」

そういわれてしまったカルミアはAを抱えて部屋に戻ることにした
道中、こんなことを考える
この重みが、この子がここに存在する重みだと考えれば多少辛くてもいとおしい。と
あの少年に、普通の幸せは手に入れられないと言ってしまったが、こんな自分でも幸せになれる、なれたよと伝えたいと

「会いたいわね、エドくんに」

まさか自分の息子が未来から来たのだとは、思いもしなかっただろう

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