くじらが86匹 ページ40
拐われた人たちを連れて一旦建物に出る
すると沢山の銃口がこちらに向けられた
「行け!」『行って!』
「こっちだ!!」
「逃がすな!撃て!!」
サボとAの掛け声に革命軍のメンバーが先頭と後尾に立ち、革命軍の船がある場所に走る
一方、敵の銃口からこちらに向けて銃弾の嵐が降り注ぐ
『成る程!戦力をここにつぎ込んでたってわけだ!』
「しっかり避けろよ!」
Aはハコから鎖の長いモーニングスターを取り出した
『やめろっつーの!』
ブンッ!!と大きく振り回し敵に当てる
敵はそのまま近くの木にぶち当たった
「変わった武器使うな〜」
『兄貴仕込みでね!』
大きなそれを再びハコにしまい、出したのはずいぶん古い小刀だ
『行こう。ここの頭を潰そう』
「嗚呼」
お互いにうなずくと建物のなかにはいる
プルルルルル…ガチャ
《あ、もしもしサボ君!?》
「コアラか、どうした」
《拐われた人は無事保護!あとはここのボスを捕まえるだけ!》
「そうか!」
ガチャ
サボはそれだけ話すと電話を切る、先程までひとっこひとりもいなかったのが嘘のように、武装した人たちが溢れてきている
『いちいち戦ってられないよ!』
「頭を捕まえねぇと!」
『ーー頭ならここの下にある洞窟の港!
逃げるつもりだから急がないと!』
「!?なんでそんなことがわかるんだ!」
『……風の便り!』
にこっ、と笑うとどこからかヨーヨーを取り出しそれを上のむき出しのパイプに投げた
それをぐいっ、と引っ張ると上昇しだした
『サボ!いこう』
伸ばされた手をサボは掴んだ
しっかりと握られたのを確かめるとAは体を揺らし、そして敵の部隊の上を飛び越えた
『走って!』
壁のひとつを叩くと、扉が上下から現れた
それによって完全に敵と離れることができた
「スパイみたいだな!」
『さっき見たときなんか変だなぁって思って!ビンゴだったね!』
「っはは!」
こんな状況だが、サボはなんだかおかしくて笑ってしまった
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作者名:サンカヨー | 作成日時:2020年1月24日 22時