くじら一家の末っ子くん part2 (ページ29)

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くじらが75匹ページ29

ずっとただAは避け続けた
おれはそれを眺めていた

すると横にピンクの布が見えた
横を見ると、着物を着た女…いや、男がいた
確か、こないだの儀式で口上人をしていた……イゾウ？がにやにやと穏やかではない笑みを浮かべていた

そして懐から出したのはピストルで、それをまっすぐAに向けているものだから
いくら訓練とはいえやりすぎなんじゃ？！とおもい声をかけようとした

が、

「シィ…」

そう言われてしまった
しかもまぁみてな、と言いたげな顔をされた

ﾊﾟﾝｯ

銃の音は抑えめ、きっと少し離れたところにいたAには聞こえないくらいの音

それはまっすぐAにとんだ、
Aはその弾をしゃがんでよけた

避けられた弾丸はAの後ろにいた船員に当たる

「いでっ！！」

「え、大丈夫なのかよあれ！」
「本物の銃弾使うわけねぇだろ」
「ペイント弾さ」
「まあ、イゾウのやつは威力高めてるから当たったら痛いぞ」

サッチが答え、次にイゾウが笑いながら答え
最後にビスタが答えた
撃たれたやつはおでこに青い液が付着していた

『イゾウ！』

Aは俺たちがいる方向に指差した
位置当ても訓練の一種らしい
イゾウは大声で正解だ！と答えた

「はぁーいイゾウの弾丸当たったやつでAに当てられなかったら３倍だからね～」

ハルタの一言に、回りは絶叫だ

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