くじら一家の末っ子くん part2 (ページ2)

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くじらが48匹ページ2

ざぱん、と海の音がした
それと同時に船に誰かが上がってきた
一番近くにいた俺は掃除道具を投げてそいつに抱きついた

『ジンベー！！！』

誰かは、海俠のジンベエ
正式にうちの家族ではないものの、父さんに恩義を感じているらしく俺たちに協力的だ
正式には違う、と先程いったが俺にとっては家族同然だ

「ジンベエ親分じゃないですか！」

「サッチさん、Aくんもご無沙汰してます」

『久しぶり！ねね、また深海の話聞かせてよ！！』

「その前に掃除だっちゅーの」

『えぇー！！』

「じゃあジンベエ親分、親父のところに案内します」

『ああ！！ずるい！！！』

サッチはそう言って、ジンベエを連れて行ってしまう
ずるいずるい！と叫ぶもサッチはヒラヒラ手を降るだけだった
さっきまでサボりぎみだったのサッチの癖に……！！

.

「Aくんは相変わらず元気なようで、安心しました」

「１ヶ月眠ったときは驚きましたけど…すぐ調子を取り戻してあの様子です
最近は前線に行けるようにもなったので、ますます元気ですね」

あんなに小さかった赤ん坊が自分と肩並べて戦うなんて、思ってもみなかった

サッチさんは優しい顔でそういう

隊長やこの船にのっとる、彼らにとってAくんは弟であり自分の子供のようなのだと、その顔をみて感じた

かくいう自分も彼に好かれるのは嫌いではない