くじら一家の末っ子くん

くじらが16匹 ページ17

母さんは洗濯物を干しに行く途中だったらしい
俺は母さんの持っていたかごを代わりにもって外に出た


「ごめんなさいね…ぶつかっちゃったのに、洗濯物まで持ってもらっちゃって…」

『いや、俺もぶつかっちゃったし』


こうやって、母さんの手伝いをしたかったから。
そう心のなかで呟いて、蓋をする


「んふふ、エドくんはいい子だね」


子供のように笑う母さん。
母さんの写真と同じだな。なんて考えたりした。


俺の母であり白ひげの妻に当たるカルミアは
俺が3つのときに亡くなった
俺はわんわん泣いたことを思い出した


「エドくんのそのうでのバンド」

『え？』

「その緑色の！」


母さんが指差したのは俺が左腕につけている緑色(だがとても古いものなので所々汚れてはいるが)のバンド
指摘されたとき、しまった。と思った
これは母さんが昔つけていたバンドで、亡くなった際、貰ったものの１つだった


『これは…』

「みて！私のとおんなじ！」

『へっ…？』


自慢げに見せてくれたのは緑色が鮮やかな、俺のつけているものの昔の姿
そんな色のやつあったんだね！と少しずれている回答をする母さんにほっとしながら、同じですね〜…なんて答える

母さんが(ついでにいうと俺もだが)このバンドをしているのには少し理由があるが
それは追々説明しよう。

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