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side _ sagara
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「 合法水族館デートだね 」
手に感じた温もりも
隣で静かに呟いたAも
その全てが愛おしい。
ガキ2人と女を連れた野郎の
緩みきった口元を見て
これが開久の狂犬だなんてことは
誰一人として想像もしないだろう。
「 たけしおにぃちゃん!
イルカしゃん!」
「 シロイルカ …
なんかAみてぇな顔してんな 」
Aはガキそっちのけで
水槽にへばりついている。
つぶらな瞳に白いからだ
近付いてきた生き物は
なんだかAに似ていた。
「 名前には イルカ ってついてるけど
実はクジラの仲間なんだよ、この子 」
半年ほど付き合って
新しく入ったコイツの情報といえば
動物が好きだということ。
でっかい犬を飼いたいという
夢があるのは知っていたが
" クジラに食べられたい "
そんな物騒な夢まで抱いていたらしい。
「 たべられたら
おねぇちゃん しんじゃう … 」
魚に目を輝かせていたガキたちの顔が
明らかに引きつりはじめた。
それでもお構い無しに
館内を愉快に駆け回るA。
「 相良くん!
クラゲなら今のおうちでも飼えるね!」
犬が無理ならクラゲってか …
見当もつかないクラゲの値段を考えていたら
勢いよく手を引かれた。
「 拓也くん!和也くん!相良くん!
シャチのショーが始まります!」
こんなにも生き生きとしているAは
久々、いや初めて見たかもしれない。
「 んな急いでっと転ぶぞ 」
「 だって近くで見たいもーん!」
「 たけしおにぃちゃん、
Aおねぇちゃんのおせわ たいへん?」
「 ちょー大変 」
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rino(プロフ) - 続きが気になります!o(^o^)o更新頑張ってくださいp(^-^)q楽しみにしてます (2019年7月28日 11時) (レス) id: 7ddea80588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鯨 | 作成日時:2019年5月15日 22時