運命は、変わり始めた。 5 ページ32
モトキside
なんだか知らないけど、シャッター音が鳴ったので起きた。
目は開けなかったけど、音や声は聞こえる。
マサイ、何かの写真でも撮ってるのかな?
目を瞑ってるから確認できないな……ちょっと気になったりw
なんて思っていると、シルクの声が聞こえてきた。
「お前何してんの?」
ん?
マサイなんかしたの?
確かにマサイは写真撮ってるっぽいけど……
何してんの?
って聞くほどのことじゃないでしょ。
見りゃ分かるわけだし。
そんなこと考えていると、マサイが返答した。
「何って、写真撮ってる。」
ほらね、予想的中。
「送れ。」
「今回は無理。」
マサイが誰かに渡したくない写真もあるんだ……いつもはいいよ、って言って簡単にくれるのに。
そう思っていると、シルクが俺の疑問を声に出してくれた。
「何で。」
「今までで一番可愛い寝顔だから。これは俺だけの。」
へー、一番可愛いねが、お……?
んん?
今俺以外にもこの部屋で誰か寝てんの!?
そ〜っと少し目を開けて周りを確認する。
でもこの部屋には俺達以外誰もいない。
もしかして、俺の事……?
「いーじゃん。だからこそ欲しいんだろ?
ってかお前何枚写真持ってんの。」
「………70,000枚くらいかな?」
「お前やば。」
またシルクが俺の考えてる事を声に出してくれる。
助かるなぁ。
「そう?……そうかなぁ?」
そうだよ!
多分俺の写真70,000枚だろ?
やばすぎる。
ってか何でそんなに持ってんの?
………何で?
ずっとこんな事を考えていた。
2人はいつの間にか話さなくなって、何分か経った頃。
シルクの口から思いもよらない言葉が飛び出した。
「でも、やっぱマサイの顔立ち綺麗だよな…結構可愛い顔してるし。」
え……………シルクの好きな人、ってもしかして………。
あー……ちょっとは期待してたんだけどなぁ。
もしかしたら…って。
その後も、会話は少し続く。
「あ、えっと…可愛いって言われるの嫌だった?ご、ごめん。///」
「いや、いいよ。ありがとう。/////」
マサイもまんざらじゃない感じだし。
こりゃ2人は幸せになれるかもなぁ。
ってゆーか、まさかの失恋が寝たフリしてるタイミングとか。
なんかこの後気まずくなるじゃんw
あれ?
なん、だろ?
閉じてるはずなのに…目から何か落ちていく。
でもその何かは横に落ちていき、床にじわりと染みていく。
どうか、どうかお願いします。
この何かが、この後幸せになる2人に気づかれませんように………。
73人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:姫風 心 | 作成日時:2017年3月21日 13時