23 ページ23
.
夜、静かになった共同スペースに向かうと
『………………』
あいつが一人で泣いていた。
どうして泣いてんのか、全く見当がつかない
あいつはただ静かに、涙を流し続ける。
………声を掛けた方がいいんだろうか。
いや、そっとしといてやろう。
部屋に戻ろうとすると、後ろにはクラスメイトがいた。
「何してんだ? こんな遅い時間に。」
昼間見せるのと同じくらいの笑顔で
「俺はなんか寝れなくて」
そう言う。
「…あっちで、今久里が泣いてる。お前、心当たりあるんじゃないのか」
「切島、確かあいつと付きあってんだろ」
切島は少し驚いた顔をして、また笑う。
切「俺には関係ねぇよ」
「なんでだ? 喧嘩とかしたんじゃないのか」
年頃の女が泣くのは、恋愛絡みだと誰かに聞いたことがある。
第一、正義感が人一倍強い切島ならすぐにあいつに駆け寄るかと思った。
切「喧嘩はしてねぇな。ただ、今久里が泣いてるかなんて、俺には関係ないだろ」
おかしい
前は、切島の隣には今久里がいた。
今久里の隣には切島がいた
いつも一緒だったはずだ。
「…今久里のこと…もう好きじゃねぇのか」
答えは意外にも即答。
切「そんなこと、轟が聞いても仕方ないだろ」
好きな女が泣いてんのに、駆け寄らない奴がいるんだろうか。
好きな女のことを、はっきり好きと言えない奴がいるんだろうか。
俺にはよく分からねぇが、
この時、何故かムキになってしまった。
轟「好きな女のこと、泣かせてんじゃねぇぞ」
切「…………」
.
さっきから話し声が聞こえるんだけど…誰だ…?
新築だし、幽霊だとかは出ないはず……
濡れた頬を拭って、声の方へと近づく。
「……分かった…」
あ、轟くんだ。
こんな時間に何してるんだろう
話してるんだから、もう一人いるよね
誰……
轟「お前があいつを大切に出来ねぇんだったら」
轟「俺がもらうぞ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 912人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももすけ - 今までに見た事なかった終わり方でした！！そして、面白かっです…！！ (2020年5月14日 1時) (
レス) id: a6ff3e0d3d (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 批判したいわけではないです正直な感想です...最後まで完結させてくださりありがとうございました！ (2019年9月18日 20時) (レス) id: 679f50534d (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 互いに好きなのにいくら信用できる人だとしても違う人と結ばれたのにハッピーエンドになるのかな...と思っちゃいました。結婚する前に想いを伝えちゃうのも...じゃあ奪えよ...っ！って...悪い人ではないのはもちろんだけどやっぱりちゃんと切島とくっついてほしかった.. (2019年9月18日 20時) (レス) id: 679f50534d (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 泣いた。私切島２推しだけど良かった。しかも最推しの爆豪くんが今九里のこと好きだったっていうオチがもうね、ヤバかったです!作者さんありがとマジ神作でしたっっっつ!! (2019年8月5日 1時) (レス) id: 6b375e8011 (このIDを非表示/違反報告)
メルト - あっちょっと目から汗が...うん、イケメン！ただただイケメン！切島君かっこよすぎかよ！？つーか爆豪君...((ﾆﾔﾆﾔ 完結おめでとうございます！これからもめちゃめちゃ応援しております！！( ´∀` ) (2019年7月31日 10時) (レス) id: 5f73bfd93e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：晴香 | 作成日時：2018年10月21日 21時
