異能と個性の違いを10秒で述べよ 2nd season 《ヒロアカ》《文スト》 (ページ11)

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答えよ５３ページ11

ガタンガタンと景色が揺れ、過ぎ去っていく。
朝焼けに染まる街を眺めながら、私は昨日のことを思い出していた。

《好きだ、太宰》

突然告げられた、無愛想なその言葉。
轟君は表情を変えることもなく、ただその言葉を告げて帰ってしまった。

『………』

………私が、恋をすることなんて許されない。
沢山の人を殺し、その憎悪と悲哀を背負って、孤独に生きていくことを決められた。

『どうすればいいか分かんないよ、織田作さん』

カバンの中にある、織田作さんの生きた証。
最後まで夢を見続けた彼の最後に、ケチをつけるつもりは無いけれど。

『ずるいよ、1人で勝手に格好良く死ぬなんて。私じゃ、貴方に追いつけないじゃないか』

初恋の人は貴方だった。
貴方の柔らかな、決意に満ちた不殺のマフィアに恋した。

駅を降りて、雄英へと向かう道中。
私は大きな商店街で、敵に手間取っているヒーローを見つけた。

なんとなく覗き込んでみると、敵は親子を人質とっている上、個性も相性が悪いのだろう。

「くそっ！他のヒーローが来るまで……！！」

「お願いっ！！娘だけでもっ！！この娘だけでも助けて！！」

涙を流して、娘だけでもと叫ぶ母親。
その腕の中で気を失っている少女が、私の脳内で１人の少女と重なった。

(私ね！お姉ちゃんのことだいすきだよ！)

(ふふっ、私も咲楽の事大好きだよ)

『…………退いて！！！』

私は人混みから飛び出し、異能を発動させる。
月下獣。その加速速度で敵の目を抜き、一気に敵の腕から二人を助け出した。

「くそがぁあ！！」

『遅いねぇ！』

感情のままに飛び掛ってくる奴の鳩尾に、虎の拳をいれて鎮めてやる。

助け出した親子は無傷。
プロヒーローは私を怒ろうとしていたが、武装探偵社の証を見せると直ぐに態度を変えた。

『………巫山戯ないでほしいよ』

何も出来ないくせに。