太宰治に成り変わったんだが《文スト》

３６話 ページ38

中也side

ポートマフィアの管轄する高級マンションには、常に銃を携帯した警備員が厳重に警戒に当たっている。


その理由としては、このマンションを管理している会社がマフィアの傘下だと云うこと。


そして、ポートマフィア歴代最年少幹部様の住まう場所だからだ。


マンションの入り口に向かえば、勿論入室を拒まれるが、ポートマフィアの証、そして幹部候補である俺はすんなりと入った。


警備員達は態々膝を付いて頭を垂れるが、俺は気にせずにエレベーターに乗る。


今の俺の服装は、何時もの仕事服では無く、黒のダメージジーンズに、淡い桃色のTシャツ。
その上に灰色のパーカーを羽織って、だて眼鏡をかけていた。


珍しく被っていない帽子に、違和感を感じながら自分の夕焼け色の髪の毛を弄る。


そんな事をしていると、最上階の超豪華なVIPクラスの部屋についた。

その一つのドアをバンバンと乱暴に叩けば、中から出てきたのは。


｢なｯ………！手前、きちんと服くらい着ろよ！｣

『えぇー、だって面倒なんだもの。蛞蝓こそダサい服着て来たものだねぇ。』

白の開襟シャツを無造作に二番目まで開いて、短パンから出た白い素足をさらけ出してた太宰は、黒茶の髪の毛をガシガシとかく。


本当に調子が狂う。

俺はそんな事を考えながら、今から自分が持ちそうな気がしないとため息をついた。

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