29話 ページ31
コンコンと執務室のドアが叩かれ、乱暴に開かれる。
幹部である私に、こんな態度がとれるのは大嫌いな彼しかしない。
「おい太宰、どーいうことだァ!?」
夕焼け色の髪の毛の襟足を流して、ダサイ帽子を被った中也は苛立ちを隠せないと云わんばかりに机を蹴りつける。
『なんだい中也?私、一応君の上司なのだけどなぁ………』
「今更上司ぶるんじゃねェ包帯無駄遣い装置!
手前の処に回ってた任務をさりげなく俺に押し付けんじゃねェよ!」
『えェ………だって、芥川君の飲み込みの悪さに悪戦苦闘してるンだもの。致し方ないじゃない。』
「芥川ァ?誰だそれ。」
小首を傾げた中也。ドカリとソファに座った彼は机に置いてあった水差しから直接水を煽る。
『あァ、知らないの?先日私が貧民街から拾ってきた孤児だよ。強力な異能力を持ってるのだけど、本人も中々に意地っ張りでねえ。』
「あァ………どんな異能力だ?」
『自分自身の身につける衣服を操って、万物を切り裂く異能力。でもさ、彼の異能力って前衛でも充分な戦力だけど、彼の本当の素質は後衛のサポートだ。』
「だが本人は前衛の殺戮を得意としている…………扱いにくいなァ、そりゃ。」
『だろう?そうだ中也、君芥川君と手合わせしてみてよ、彼にとっても善い経験だ。』
私の嬉々とした表情に、中也はおもーくため息をつくと立ち上がる。
芥川龍之介君、中也にとっても中々に手強い相手なんじゃない?
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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします! (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - オチは中也さんオチだといいな〜です! (2017年4月29日 14時) (レス) id: 3439354143 (このIDを非表示/違反報告)
お芋 - 中也さんオチがいいです…!! (2017年4月27日 20時) (レス) id: 425d94421e (このIDを非表示/違反報告)
麗亜@眠い。(プロフ) - オチ中也さんがいいな。。。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
アオアオ - 初めまして!この作品とても面白いです!オチは中也さんがいいです!!この流れは絶対中也さんだと思います!!これからも頑張ってください! (2017年4月27日 14時) (レス) id: 20e1587176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2017年4月11日 19時