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16話 ページ17

訓練室から鈍い音が響いてくる。


資料を片手に通りかかった私は、少しだけ開いた扉から覗き込んだ。


其処には、汗だくになりながら必死に体術を練習する中也の姿。


彼はふぅ、息をついてから自分の手を何回か握り厭そうに顔を歪める。


中也が目覚めて数日が経った。


『双黒』の名前は黒社会に知れ渡り、それなりに立場も昇格した。

 
しかし、中也は自分の異能力の本質に、本当の姿に気が付いて。


数日の間に、ずいぶんと身体は弱っていたようだ。


『………やァ中也、頑張ってるねェ?』


ヒラヒラと無造作に手を降りながら、私は邪魔してやろうと訓練室に入った。


中也はあからさまに顔をしかめて、けっと吐き捨てる。


「ンだよ青鯖野郎、邪魔しに来たならさっさと帰りやがれ。」


『そうしたいのは山々だけど、中也の邪魔をすると言う天命があるのでね!』


「手前殺すぞ?」


わかりやすく額に青筋をたてた中也が殴りかかってくるので、バックステップで避ける。


彼の放った拳はいとも簡単に壁を破壊し、ボロボロと壊れてしまった。


『これの何処が弱ってるのさぁー、相変わらず力だけは一人前だよねェ。』


「うるせェ死ね包帯野郎ッ!!」


そうやって怒鳴る中也。

無理はしてほしくないだけなんだよ?


素直な言葉も云えない自分に苛立ちながら、私は何時もの不理解な笑みを浮かべる。


ねぇ中也。


もう、あんな姿は見せないでよ。


『…………怖いんだよ…………』


前の太宰が男でも、今の太宰である私は女子なんだよ?


恋心くらいもったって、バチは当たらないよね?


わかってる、無理なお願いだってことくらい。


それでも。


『………私から居なくならないで………』


呟いた言葉は、誰にも聞こえない。

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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします! (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - オチは中也さんオチだといいな〜です! (2017年4月29日 14時) (レス) id: 3439354143 (このIDを非表示/違反報告)
お芋 - 中也さんオチがいいです…!! (2017年4月27日 20時) (レス) id: 425d94421e (このIDを非表示/違反報告)
麗亜@眠い。(プロフ) - オチ中也さんがいいな。。。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
アオアオ - 初めまして!この作品とても面白いです!オチは中也さんがいいです!!この流れは絶対中也さんだと思います!!これからも頑張ってください! (2017年4月27日 14時) (レス) id: 20e1587176 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/  
作成日時:2017年4月11日 19時

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