15話 ページ16
蛍光灯の無機質な光が瞼を透かして、私は重い身体を起こした。
いつの間にか寝ていたのか………………。
目をこすって、中也の寝ている方を見る。
其処には。
「よォ、随分寝てたな。」
藍色の瞳を細めて、私を笑いながら見下ろした中也がいた。
『なッ…………起きたのかい中也!?』
「あぁ、手前にも心配掛けたみたいだな。悪い…………にしても、ンな所で寝たら風邪引くぜ?」
指差されるが、肩にはきちんと毛布がかけてあり私は小さく苦笑する。
『全く、君寝過ぎだよ。張り合える相手もいなくて暇だし。汚濁………だっけ、アレ強力すぎるよ、自分では制御できないの?』
「あー…………アレ使ってる間の記憶ねェんだよな………でも、自分の中でナニカが壊れるのは分かった。」
理性と言う手綱すら裁ち切れた中也は、ただの破壊兵器になる。
其を止められるのは私のみ。
『………とりあえず、森さんと姐さん呼んでくるから、待ってて。』
「おう、でも手前も胸を撃たれたんだろ?傷は大丈夫なのか?一応女だろ?」
『一応って何さちびっこマフィア。君はおとなしく寝ててよね。』
私は中也に毛布を押し付けてから、立ち上がる。
すると、片手が強く握り締められてきたのに気がついた。
「あ、悪い。手前が握ってきてたから、はずしちゃ悪いと思ってな。」
『…………行ってくる。』
素早く身を翻して、私は病室を出た。
思わず紅く色づく頬を隠しながら
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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします! (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - オチは中也さんオチだといいな〜です! (2017年4月29日 14時) (レス) id: 3439354143 (このIDを非表示/違反報告)
お芋 - 中也さんオチがいいです…!! (2017年4月27日 20時) (レス) id: 425d94421e (このIDを非表示/違反報告)
麗亜@眠い。(プロフ) - オチ中也さんがいいな。。。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
アオアオ - 初めまして!この作品とても面白いです!オチは中也さんがいいです!!この流れは絶対中也さんだと思います!!これからも頑張ってください! (2017年4月27日 14時) (レス) id: 20e1587176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2017年4月11日 19時