3段 ページ4
ポートマフィアの無駄に広いエントランスを抜けて、エレベーターに乗り込むと横浜の街を一望できる。
エレベーターが止まれば、最上階の執務室にゆっくりと脚を進めた。
此処の首領に会うことはかなり多い。
何度もマフィアに勧誘されたが、その度に魔女を使って拒否してきた。
無駄に豪奢な扉の前に立つ黒服に目で合図すれば、彼らは静かにドアを開いた。
欧米風な室内、其所で愉しげに落書きをする幼児を横目に、私はゆっくりと歩く。
「やぁ、君の仕事は何時も早いね。」
『お褒めに預り光栄で御座います。今回の依頼の情報、持ってきました。』
森鴎外。ポートマフィア首領。
彼の笑みを浮かべながらも摘めたい眼差しに、背が凍りそうになりながらもトランクを開いて、資料を差し出す。
彼は満足そうに受けとると、机に置いて顎のしたで手を組んだ。
「さて、君の仕事の腕はとても素晴らしい。
しかし君は敵対組織に我々の情報を売ったそうだね。」
『何か問題でも?私はフリーの情報屋です。
どこかの組織に頼られれば、どんなリスクを背負ってでもネタを提供する。』
「私が今ここで、君を処分すると云っても?」
瞬間、私の背後に甘い華の香りと強い殺気が吹き荒れた。
視線だけで見れば、花魁のような女性と、背丈は小さいが充分すぎる威圧を放つ青年。
はぁ、面倒な事になった。
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バイパー(プロフ) - 面白いです!文才あってうらやましい限りです! (2017年6月15日 20時) (レス) id: 9e0fe0a3ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2017年4月9日 19時