蛇が二十一匹 ページ28
そのあとは、廃れた病院内を調べて歩き回っていた。
すると、確かに人の入ったような気配が幾つも見つかったのだ。
国木田が異能力で顕現させた懐中電灯で照らせば視界は確保できる。
「これは悪戯だね、帰ろう。」
太宰がとうとう飽きて踵を返した。
マリーも詰まらなそうに欠伸をこぼしてから、
その背中を追う。
「おいまて、地道に調査し、検分し、推理するはどうした。この程度で音を上げて探偵が勤まるか。もっと証拠を....」
『必要ないよ、これ見なよ。』
マリーがつまみ上げたのは、暗色の細引。
太宰は配線を手繰り、その端を追った。
巧みに隠され埋め込まれているが、遂にその一端へたどり着く。
『ほら、可笑しいもの。時朽ち果てた病院の内装配線とは明らかに違う。恐らくだけど、ここ数ヶ月に設置されてるよ。』
「それにこれは撮影機だね。誰かがこっそり設置したんだ。きっと個々だけじゃない。
やれやれ、依頼人は偽の依頼で呼びつけて、お化けに怯えた国木田君が泣くのを盗撮してたって訳だ。悪い奴だね。」
「お、俺は泣いていない!」
『そうだよねぇ。こんな暗いところで泣くなんて小学生でもあり得な.....』
すると、マリーの言葉が突然途切れた。
驚いた太宰がマリーを見ると、その瞳が明らかに動揺を示している。
『何これ...黒い世界に、黄色の配線.....厭、貴方は誰なの....っ!?ねぇ、何でそんなこと云うの!?私は何も知らないよ!!
厭、此方に来ないでぇええええっ!!』
プツン
瞬間、叫んだマリーの体は崩れ落ちた。
それを慌てて受け止めた太宰は、マリーの目を見てしまった。
そう、その瞳は赤く染まっている。
「マリーっ!?」
マリーは苦しそうに何かを呟いたあと、気絶してしまった。
____赤色ヒーロー...助けて____
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リア - はやく続きが見たいです!更新お願いしますm(__)m (2018年4月1日 13時) (レス) id: bcb8081e65 (このIDを非表示/違反報告)
みろろ♪くろろ♪ - 終わりですかっ?せっかく良いところなのに、、? (2018年1月11日 22時) (レス) id: e149b1ac55 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - これで終わりなんですか!? (2017年9月11日 9時) (レス) id: 01a2bf4134 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音 - おー!ついにセトが出てきましたかー。波乱の予・感☆更新待ってまーす! (2017年4月7日 22時) (レス) id: 6d7d2c965e (このIDを非表示/違反報告)
狼 - 面白い!!続けて下さい!! (2017年4月7日 17時) (レス) id: abc1e7d64e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2017年2月8日 18時