蛇が二十匹 ページ26
見放され、朽ち果てた廃病院。
不気味なその彼岸の境界の界を歩むのは、三人の探偵。
「暗い....何も見えん。」
「それがまた良い感じじゃない。」
摺り足で歩いていく国木田に対して、マリーと太宰は鼻唄でも歌いそうなほど余裕だ。
「依頼人の願いは、ここで夜毎繰り返される音と光の招待を解明することだ。何が出るか判らん。警戒するぞ。」
『うん、分かってるんだけど独歩警戒しすぎじゃない?』
桃色の瞳を国木田に向けたマリーの言葉に、国木田は睨みを返す。
「何を言う。敵を決め付け、過小評価することこそ愚者の蛮行。探偵社の事務所が一員たるもの常に最悪の想定をして動く事を知れ。」
「.....ひょっとしてヒビってる?」
「びびびヒビってなどいない!阿呆か!」
「じゃあ速く行こうよ。」
「愚か者め、此の手の映画では調子にのって軽率な行動をとる者から先に犠牲になるのだ。」
『此の手の映画って何。まぁ、独歩が怖がるのも分からない訳では無いけれど。
誰かがいた場合、気づかれちゃう可能性があるから照明つけられないんだよね。』
マリーは床にたまった水溜まりでピチャピチャと音をたてながら笑う。
すると、突然太宰が前方で叫んだ。
それに合わせて国木田の肩も大きく跳ねて、いつもの言い争いが始まる。
マリーはそれを見て笑いながら、この建物に潜む人の気配を確認していた。
『...私を出し抜こうなんて、生意気な人間じゃない?』
そんな事を呟いて。
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リア - はやく続きが見たいです!更新お願いしますm(__)m (2018年4月1日 13時) (レス) id: bcb8081e65 (このIDを非表示/違反報告)
みろろ♪くろろ♪ - 終わりですかっ?せっかく良いところなのに、、? (2018年1月11日 22時) (レス) id: e149b1ac55 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - これで終わりなんですか!? (2017年9月11日 9時) (レス) id: 01a2bf4134 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音 - おー!ついにセトが出てきましたかー。波乱の予・感☆更新待ってまーす! (2017年4月7日 22時) (レス) id: 6d7d2c965e (このIDを非表示/違反報告)
狼 - 面白い!!続けて下さい!! (2017年4月7日 17時) (レス) id: abc1e7d64e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2017年2月8日 18時