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蛇が八匹 ページ13

任務を終えると、マリーは即座に本部に戻ってドレスを脱いだ。



こうでもしないと鴎外が五月蝿いのだ。



今日はもう仕事は無いからと、水色のエプロンドレスに身を包み、ハーフアップにしていた髪の毛は無造作におろす。


首から形見である鍵のついたペンダントをかけると、マリーは外に出た。



すると、前から誰かが歩いてくる。


組織内では珍しい赤色の髪の毛に、ストライプの開襟シャツ。
仕込まれた二丁拳銃が鈍く光っている。


『作之助!』


「マリー、久しいな。」


そう、皆さん大好ゴホンゴホン。愛されている織田作之助は、マリーの頭を撫でる。


『作之助が本部に来るなんて珍しいね?何かあったの?』


「あぁ、少し尾崎幹部に用があってな。これから何時ものバーへ呑みに行くが、お前も来るか?」


『うーん.....行かないよ。今日はもう疲れたしね。また誘って?』


その時、マリーの表情は少しだけ曇っていた。


織田作はそれに気付かずに、マリーに小さく笑いかけて去っていった。



『....また、失うの...?』


震える小さな声。

マリーの胸に浮かんだのは、なにかを失う前の予兆のような物。



なんだか、ずっと前から知っていたような。


マリーが失ったのは、実質母であるシオンのみの筈だ。



しかし、他にも何かを....?


ズキンッ



その瞬間、マリーの頭は酷く痛み始めた。


 
脳内にフラッシュするのは、ある風景。





血塗れで横たわる、少年少女。


黒い空間に、黄色い配線のはこびる世界で高笑いする真っ黒な青年。


そして...力なく倒れている緑の青年と、そんな彼の手を握って泣き崩れる自分。





『なに、これ....いやっ....こんなの、こんな記憶....知らない....っ!!』



マリーの頬には、止め止めなく涙が伝っていた。



思い出すのを拒むかのように、嫌々と首を降るマリー。




最後にどくんっと強く波打った何かはマリーの意識を刈り取っていった。









(思い出してよ、あの夏の日の事を)






何処かで、誰かがそう、呟いた。

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リア - はやく続きが見たいです!更新お願いしますm(__)m (2018年4月1日 13時) (レス) id: bcb8081e65 (このIDを非表示/違反報告)
みろろ♪くろろ♪ - 終わりですかっ?せっかく良いところなのに、、? (2018年1月11日 22時) (レス) id: e149b1ac55 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - これで終わりなんですか!? (2017年9月11日 9時) (レス) id: 01a2bf4134 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音 - おー!ついにセトが出てきましたかー。波乱の予・感☆更新待ってまーす! (2017年4月7日 22時) (レス) id: 6d7d2c965e (このIDを非表示/違反報告)
- 面白い!!続けて下さい!! (2017年4月7日 17時) (レス) id: abc1e7d64e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/  
作成日時:2017年2月8日 18時

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