【リボーン】異世界の傍観者来る！ [書き直し] (ページ6)

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四話　トリップのちページ6

暖かな布団の中で寝返りをうつとあるはずの床がなかった。

そこで初めてベッドで寝ていたのだと理解する。

どすんと音を立て落ちた。

背中が痛い。

「いたい」

私はどちらかというと布団派であって部屋にベッドなんてないはずだ。

ゆっくりと体を起こし、部屋を見渡す。

明らかに自分の部屋ではないことを確認し、

昨日・・・いや眠る前のことを思いだしていた。

私は死んだのだ。

そしてここはイケメンさんがトリップさせてくれた世界

痛みが取れた体で部屋にあるベランダへ出た。

「うわ・・・マンションだった」

アパートか一軒家の二階だろうという安直な考えでいたことを後悔しよう。

目の前に高層ビルがなく、下を見ると足がすくむような高さだ。

他を見て回ったが至って普通のつくりのマンション。

生活環はまるでない。

自分はここに住むのだと女の勘がささやく。

こんなものにしか頼れないなんて情けない。

　

　

空腹で料理をしようにも冷蔵庫の中は空っぽ。

ふと目についた棚の中をのぞいてみたら

　
　

　

「通帳って・・・」

付箋が張られた通帳とキャッシュカード

引き落とせってことか

　
「よし！ガンバロー！」

正直白目むいてひっくり返っていたいが、

私の勝手な妄想ではなければ私はまだ生きているらしい

ならば食事が必要不可欠だ。

料理なんて一人のとき簡単なものしか作ったことがないから自身はない。

でも自分しか食べないのだからおいしくなくてもよい。

部屋着のままダッシュでスーパーへ行き

ショッピングモールへ行き料理本と服を見繕った。

自分にこんな行動力があったのかと驚く部分もあったが

人間、危機的状況ならなんでもできるのだと学べたことは大きな成果だったと思う。

　

　

「ひとまず落ち着いたが・・・これからどうしよう」

　

　

「そろそろ現実見たほうがいいと思うが？」

　
頭上から降ってきた声に驚き、振り返る。

白髪の青年、記憶にも新しい。

「現実見るってなんのこと」

「まあ、知らないふりを続けていけるわけないことは頭に入れておけ。

　話は変わるがお前まだ中学生だったよな。

　義務教育だから学校行けよ」

「言われなくても」

「手続きはしてあるから4月になったら通え」

そう言ってスマートフォンを渡された。

見たことのない機種だったからしばらく眺めてから顔を上げると青年は消えていた。

煙のように。跡形もなく。

次会ったら殴り飛ばす