【ボイスⅡ】ただ君のために (ページ40)

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透「来るな！」

重「拳銃を捨てろ！」

屋上に出た透くんは銃を構え、後を追った一課も銃を構えた。

『彼を追い詰めないでください！』

彰「透！白塗り野郎は、俺たち仲間が互いに疑い、一線を超える姿を楽しんでるんだ！」

透「俺は、やってるかどうかさえわからない！」

彰「お前はやってない！」
　「俺が誰よりもお前を見てきた。怒りに任せて人を傷つけるようなやつじゃない！」
　「お前が自分のこと信じられなくても、俺はお前を信じてる」

『…私たちだけじゃない。ECUのみんなも』

彰にぃが無線の音を聞かせた。

橘《やはり本部長を撃ったのは石川巡査部長ではありません。拳銃はすり替えられていたんです》
　《事件直前の小野田本部長の映像を入手しました》

緒《解像度を上げた映像データを送ります》

映像には、花丸が描かれた箱をコインロッカーから取り出す本部長の姿。
そして箱には透くんの拳銃が入っていた。

橘《事前にすり替えられていた》

緒《それと重要な点が、映像では本部長はジャケットを羽織っている。けど、本部長の遺体はジャケットを羽織っていません》

小《硝煙反応が服についていたから、第三者が脱がせた可能性があります》

山《白塗りはおそらく、石川巡査部長が真実を知ったと本部長に吹き込み、殺す以外手はないと背中を押した。》

重「なんでそんな事が言えるんだ」

橘《山城さんは、事件直前に本部長と電話で話してます》

山《本部長は私に言いました。最後は自分なりの決着を着ける。殺人じゃない、自_殺だったんです》

透「…」

足《こちら足立。石川の自宅のクーラーに小型ビデオカメラがあるのを見つけました》

佐《顔はわかりませんが、花丸が描かれた箱を持ち込んだ人物が写ってます》

送られてきた映像を透くんにも見せた。

重「一体どういうことだ」

『…第三者が、警察関係者なら現場を偽装できる』

透「…」

ゆっくりと彼に近づく。

『私たちも真実を知りたい』

透「…」

『万が一、あの人が生きているとしたら…何か事件に巻き込まれて…っ！』

透くんに腕を引かれ、後ろから拘束される。

彰「透！」

透「信じられるか…俺を騙して捕まえに来たろ！」

『…』

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