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▶彰吾
小《樋口警部補、ECUの小松です。第5方面に向かうマルヒ使用車両を発見。出動班が追跡中です。以後の動向は私が報告します》
彰「橘はどうした」
小《それが、重藤班長が何者かに拉_致されたようで…同時にふたつの事件に対応しています》
彰「…」
『…』
透「重藤班長が？なぜ」
さっきAが躊躇ったのはこのことか。
透「大樹が拉_致されたタイミングで…これって偶然？」
彰「樋口より室長」
橘《どうぞ》
彰「警察の動きを読んで使用車両を乗り捨てる。2つの事件の手口は同じだ。偶然じゃない、繋がってる」
そこへ、大樹から電話がかかってきた。
彰「大樹！」
大《パパっ》
彰「大丈夫か？今どこだ」
大《病院みたいなとこ…でも誰もいない》
彰「周りに何かみえるか？」
大《森しかみえない》
橘《大樹くん監_禁場所は、厚木にある旧緑ヶ丘市民病院です》
彰「了解」
大《怖いよパパ…助けて》
彰「大樹、すぐ助けに行く！」
大《女の人がこっちに来る！》
彰「隠れるんだっ」
しばらくして大樹からの通話が切れ、何度か掛け直すがつながらない。
透「大丈夫かな…大樹」
彰「…」
橘《樋口警部補、出動班。同時拉致事件の主犯から入電です》
車を止め、サイレンを消した。
橘《室長の橘です。あなたが犯人ですか？》
《人生は選択の繰り返しだ。何を選ぶのか、どう選ぶのか。選択しろ、仲間を助けるのか、我が子を助けるのか…、選択しろ。樋口彰吾》
橘《あなたの目的は》
《クライシスタイム。あと10分》
ブツッと通話が切れた。
小《今、重藤班長の携帯の電源が入りました！…今、重藤班長の監_禁場所からいちばん近いのは樋口警部補…》
橘《全て犯人の計画…》
石「大樹を見捨てろってことかよ」
彰「…」
『…』
彰「…橘、大樹を頼む」
『！』
彰「俺は重藤の元へ向かう」
『彰にぃ！』
Aが俺の腕を掴む。
『なんで…大樹はっ』
彰「…重藤が近くにいるんだ」
『また同じこと繰り返すの！お父さんと、未希さんの時みたいに、』
彰「俺たちにしか助けられない」
『…』
足《Aちゃん、樋口さん。大樹くんは俺らが必ず助けます！だから、重藤班長を助けてください》
彰「…」
『…っ、お願いします』
彰「…行くぞ！」
透「…はいっ」
車をUターンさせ、重藤の監_禁場所へ向かった。
橘《重藤班長監_禁場所には、樋口警部補が向かいます。旧緑ヶ丘病院には、E3が向かってください》
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作者名：くうふく | 作成日時：2021年10月1日 21時
