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橘《塚田は7年前、薫さんを空き家に連れ込んだ際、何度も下見したと供述しています》
彰「…あいつの靴、セメントがついてた」
「小学校周辺でセメントを扱う場所を調べてくれ」
小《半径5キロ圏内だと、一番近くは日野町にあります》
緒《もう一箇所！皷町にもあります》
透「まずは日野ですね」
彰「待て！」
透「…」
彰「鼓町だ」
透「でも、皷町のほうが駅近で人目につきますけど」
彰「だからだ！人目が多ければピエロの格好をしていても怪しまれない」
透「…はい」
▶A
『…っ』
ぼやける視界に入るピンクの装飾。
起き上がろうとしたら、両手足を縛られていた。
『！？』
「おはよぉ、お姉ちゃん」
『…塚田、？』
子供のような声で呼びかけられ、そちらを向くと
ピエロの格好をした塚田の姿。
塚田は笑いながら部屋にある大きな箱に近寄り蓋を開けた。
塚「優太くん」
優「…！」
中からは武田さんの家族写真に写っていた男の子、優太くんが顔を出した。
優「ここ、どこ？」
塚「しー…、これからすごく楽しい遊びをしよう」
優「今日は帰るって言ったでしょ」
塚「似てるなぁ、お姉ちゃんに」
優「僕もう帰るから！」
優太くんが逃げようとするも捕まえる塚田。
塚「…あぁ、」
『優太くんを離して！』
塚「お姉ちゃんはあとで遊ぼうね」
『っ…！』
拘束を解こうとどうにかしてみるが、固く縛ってありうまく行かない。
その間にも、塚田は優太くんに女の子の格好をさせ楽しんでいた。
塚「お姉ちゃんより似合ってる」
優「お姉ちゃんが苦しんでるの、おじさんのせいでしょ…、おじさん悪い人なんでしょ」
その時、外から透くんの声がした。
透「優太くんどこ？優太くん！」
『！ 透くん』
優「ここ…っ！」
叫ぼうとする優太くんに焦ったのか、優太くんの口を薬品を染み込ませたハンカチで抑え気を失わせた。
『っ、と…！』
塚「おいっ」
『…』
塚「声出したら、優太くん、刺すよ」
机に置かれていたカッターを優太くんに突きつける塚田。
『っ、』
透「優太くん！」
『…』
どうしよう、、すぐ隣にいるのに…
そして遠ざかっていく透くんの声。
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作者名：くうふく | 作成日時：2021年10月1日 21時
