vol.03 ページ12
▶彰吾
橘「"あの子はと遊ぶんだ"というあの子とは…」
彰「…まさか、」
捜査中に送られてきた武井一家の写真を思い出した。
彰「優太くんと連絡は取れますか？」
「今かけてるんですけど…もう学校から帰っていい時間なんですが、」
橘「20分前に塚田がマンションを出てから行方が掴めません」
彰「…最近、優太くんに変わった様子は？」
「新しい友達ができたって」
そうして見せてきたのは優太が書いた絵日記の写真。
山《帰宅する優太くんの姿を防犯カメラで追いましたが、西尾町の横断歩道から姿が確認できません》
「…へび、」
橘「…何か知ってることがあれば教えて下さい。蛇とはなんですか？」
「あいつです…。塚田ですっ…、ピエロの指が蛇に」
CHORD0は発令された。
橘《CHORD0、児童連れ去り事件が発生。マルガイは、武井雄太7歳。マルヒは塚田功一朗》
《E2は通学路付近を、E3はマル宅周辺を捜査してください》
透「兄貴！」
彰「透、行くぞ」
透「それがっ、Aと連絡がつかないんです！」
彰「…どこ行ってんだ」
透「買い出しに行くってコンビニに、20分も前に出たのに電話も出なくて」
彰「……あの子は特別」
透「え？」
彰「緒方、Aの現在地は」
緒《無線の電源が入ってます。場所は、署の近くのコンビニ付近です》
彰「橘、俺たちそっちから向かう」
橘《しかし優太くんが》
彰「…」
島「樋口さん、俺らが」
彰「…頼んだ」
足「E3、コンビニを回って行きます」
橘《司令室、了解》
車に乗り込み現場に向かった。
透「なんでAがっ」
緒《班長、緒方です！樋口巡査部長の無線があった付近のコンビニの防犯カメラ映像を調べたところ…Aちゃん、20分ほど前に塚田と接触しています》
透「塚田と？」
緒《塚田がAちゃんに何かを渡したあと、彼女の口元を抑えて意識を失わせています。おそらく何かの薬品を使ったんじゃないかと…》
彰「その後は」
緒《抱えてどこかに。カメラの死角になっていて、その後はわかりません》
橘《塚田は、"あの子は特別"と言っていました。その特別なあの子が樋口巡査部長のことなら…》
彰「だが塚田は大人の女性が苦手なはずだ…。何が特別なんだ」
足《こちらE2足立。コンビニの道路脇にAちゃんの無線がありました。それと携帯も。店員に話を聞きましたが、中からは死角になっていて塚田の姿は見ていないと。通りからも見えづらいです》
透「Aも…」
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作者名：くうふく | 作成日時：2021年10月1日 21時
