＊ ページ48
｢警備員。お前はもう下がれ｣
｢……はい｣
｢ああ、お客様を安全に出口までお連れしてな。それと……大事な商品って、言っても分からないか？｣
｢も、申し訳ありませんッ!!今後は気をつけます……!!｣
警備員が勢いよく頭を下げると、男はため息をついてから頭をあげろ、と優しく諭した。
警備員が上目遣いでちらりと男を見た瞬間、男は笑顔で銃口を警備員の額に突きつけた。
｢今後ねえ……この商品達と自分、どっちの価値が高いと思う？｣
｢……ッ｣
｢この商品達に傷がついたら、困るけど……いま俺が指を動かしても、誰か困るかなあ｣
警備員は固まったまま動けないでいる。その隣でずっと喚いていた酢豚も、驚いた顔で鼻を抑えたまま黙って見ている。
｢……と、冗談です。はは、お客様。警備員には後ほどよく言い聞かせておくので、怪我の件はどうか大目に見てくださると助かります｣
｢ヒッ……ふ、ふん。今回だけはお、多めに見てやろう……こ、ここは寒気がする、おい君、早く上へ連れて行け!!｣
正直いってドン引きしたが、それどころでは無い。警備員と酢豚は早歩きで部屋を出ていった。
｢さて──｣
男がこちらを見る。
よく見知った顔。
｢大先生──｣
｢お嬢さん。お久しぶりだね｣
鬱はこっちを見て爽やかに笑った。左手で銃口を撫でる。女の子の手を握る力が強くなった気がして、握り返したが、そのあと手を離して自分の後ろに隠れるように誘導した。
｢……これはどういうことなの。いきなりこんな所へ連れてこられて、訳が分からないわ｣
｢んー、ここは一般人立入禁止の裏カジノやけど？とぼけなくても……なあ？｣
｢……そうね。じゃあ単刀直入に聞くわ。どうして大先生がこんなことをしているの？あなたは取り締まる側でしょう？｣
｢ん〜せやなあ……｣
わざとらしく悩んだ後、また表情が読めない笑みを浮かべて、楽しそうに檻に近づいた。
｢もうすぐ終わりだし、まあええか｣
｢……？｣
｢ゾムはもう捕まったんよ。驚く程簡単やったわ。なーんか、あっさり過ぎてアイツらしくないけどなあ。がばったんかなあ｣
淡々と大先生から告げられる事実に、驚きの表情を隠せない。
VIP室？イカサマ？Aが捕まった？じゃあ作戦は失敗？
｢い、今は……？まだ殺されてないよね……？｣
｢……ふ、はははは!!……はー、せやなあ、最後に死に顔くらい拝ませてやってもええけど……冗談やって。死んでないと思うなあ、多分｣
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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みやこ - 貴方様が紡がれるストーリーやキャラの描写、言葉選び全てがあまりにも素晴らしく、飲まれるように一気に拝読させていただきました。zmと夢主の関係性やこの後の展開がどうなるのか思いを馳せながら続編が開く時が来るのをとても楽しみにしております。ご自愛ください。 (10月15日 2時) (
レス) @page50 id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - もっと早くに見つけてればよかった…！！！めちゃめちゃ好きです、続編開くの待ってます…！ (8月25日 14時) (レス) @page50 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
暇人パーリナイ(プロフ) - とても素晴らしい作品で愛読させていただいてます、続編が開放される時を楽しみに日々過ごしています。更新頑張ってください。 (2020年10月11日 22時) (レス) id: 6c369c24d6 (このIDを非表示/違反報告)
mailnoadodapo(プロフ) - 何かもう最高すぎてやばい……やばい!!←大事なことなので2回言いました、貴方の作品初めて読んだんですけど、まじで好きです (*´ω`*)これからも推させていただきますね (2020年7月8日 4時) (レス) id: 71f963574a (このIDを非表示/違反報告)
おじ - 久しぶりの更新とても嬉しいです！疲れない程度に更新頑張ってください！ (2020年1月5日 20時) (レス) id: 9cde916c26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かよ | 作成日時：2019年5月16日 0時
