＊ ページ46
すすり泣く声で目が覚めた。
体を起こすと倦怠感に襲われるが、無理やり正常に戻した。
一体俺はどのくらい眠っていたのだろうか。
俺は薄暗い檻の中に入れられたみたいだ。
同じ牢の中には10数人程の、Aと歳が同じくらいの少女達。
みな一様に目が虚ろで、話しかけても反応が無かった。不気味なほど、生気がないのだ。
ジメジメとしていて、部屋は片付けられているが、隠しきれない死臭がある。
それが、ここで起きたことを異常なほど物語っている。
無意識に歯ぎしりをする。通信機は壊されてしまったようだ。
どういうことだ。恐らく標的側に捕えられてしまったのは確実だが、腑に落ちない。
内通者が、いるということか。
完全に油断してしまった。俺のミスだ。
だが、今はそれを考えていてもこの状況は打破できない。
すすり泣く声に目を向ける。1番小さそうなコイツなら話が聞けそうだ。
｢なぁ、話できるか？｣
｢……なん、ですか｣
すっかり怯えてしまっている。見たところ、髪は手入れされていて、爪も綺麗に切りそろえてある。
俺と同様、最近連れてこられたのだろう。
｢大丈夫。お……私達は仲間だから、怖がらないで｣
｢もう無理だよ……私達はみんな死んじゃう……｣
｢死なない、話をちゃんと聞かせて。私が絶対に何とかする｣
確証はない。だけど、はっきり言い切る。
怯えていた少女の瞳に、希望が射したようにみえた。
少女は泣くのを堪えて、ぽつり、ぽつりと話し始める。
｢あなたもきっとこれから説明されるよ……。私達、オークションで売られるんだって｣
やっぱりか。予感はあった。
しかし、ここと繋がっていたとは思わなかった。
改めて周りの少女達をよく見てみると、行方不明になっていた少女達だと気づく。
｢それで、売られたら凄い辛いことがいっぱいあるんだって……。売れなかったら、体をバラバラにされて……｣
ここまで話して少女はまた泣きそうになり、涙をいっぱいためた目を覆う。
｢でも私は、もう売れたんだって……。変態で、苦しんでるところを見るのが好きなおじさんに……。それで、あの人は、私に大人しくしろって……｣
よく話してくれたね。わかった。私が絶対助けるから。と俺は少女を抱きしめ、背中をぽんぽんと、軽くたたく。
遠いところで、電子音がなる。ドアが開く音。
微かなタバコの匂いが近づいてくる。
俺は檻の外を睨んだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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みやこ - 貴方様が紡がれるストーリーやキャラの描写、言葉選び全てがあまりにも素晴らしく、飲まれるように一気に拝読させていただきました。zmと夢主の関係性やこの後の展開がどうなるのか思いを馳せながら続編が開く時が来るのをとても楽しみにしております。ご自愛ください。 (10月15日 2時) (
レス) @page50 id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - もっと早くに見つけてればよかった…！！！めちゃめちゃ好きです、続編開くの待ってます…！ (8月25日 14時) (レス) @page50 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
暇人パーリナイ(プロフ) - とても素晴らしい作品で愛読させていただいてます、続編が開放される時を楽しみに日々過ごしています。更新頑張ってください。 (2020年10月11日 22時) (レス) id: 6c369c24d6 (このIDを非表示/違反報告)
mailnoadodapo(プロフ) - 何かもう最高すぎてやばい……やばい!!←大事なことなので2回言いました、貴方の作品初めて読んだんですけど、まじで好きです (*´ω`*)これからも推させていただきますね (2020年7月8日 4時) (レス) id: 71f963574a (このIDを非表示/違反報告)
おじ - 久しぶりの更新とても嬉しいです！疲れない程度に更新頑張ってください！ (2020年1月5日 20時) (レス) id: 9cde916c26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かよ | 作成日時：2019年5月16日 0時
