(夜のお話) ページ26
「ん〜……」
くられ先生の唐突な出張によって、研究室に寝泊まりすることになった私は、11を指した時針を見て、ふわっとあくびをして、眠たそうに瞬きをした。
今日はこの辺にしておこう、と席を立ち、シャワー室に向かう。
研究室にはキッチンもシャワー室も寝室もある。普段は私は掃除をしているが、研究室以外は清潔すぎて逆になんだか不安になる。生活感がないというか…。モデルハウスみたいだ。
シャワーを浴びたあと、バスタオルを体に巻く。その後、スーツケースから洋服を取り出す。
シャワー室を出て、真っ白いタイルをペタペタと歩いていく。…やっぱり不気味だ。幽霊の噂はくられ先生が原因だとはわかったけれど、それでもなんだが怖い。青白い照明が一層恐怖心を煽る。
くられ先生はくられ先生のベッドを使えって言っていたな。
私が「え、それは嫌なんですけど」と顔をしかめたら、「変な意味じゃなくて！普段研究室のソファで寝てるから、ベッドは全然使わないんだよね。洗濯もしたし」と必死に弁明してた。
寝室のドアを開ける。
くられ先生の部屋に入るのは初めてだ。
「おじゃましまーす…」と言って、部屋の明かりをつける。
予想はしてたけど、部屋の中は殺風景で生活感がない。でも、大きなテレビがついている。最高だ。今日は寝ながらテレビを見ようか。
それより……先生も男なんだから……。
私はほくそ笑み、引き出しを上から開けた。
いつもの鬱憤を晴らしてやろう。男なんだからアレな本の1冊や2冊あるに決まっている。
と、思っていたが、一通り漁ってもそれらしきものは見つからなかった。いや、やばいのはあったにはあったけど……人体解剖とか毒物図鑑とか危ない18号……？
本当に科学に目がないんだな。科学関連の本しかない。
と、そこでベットの下に目がいく。今更アレな本があるとは思わないけど。ここまで来たから一応見ておこうか。
｢……きゃ！な、なに！？｣
なにか、動いた気がする。茶色っぽい毛が…。
｢へ……ゾム？｣
｢……あ、チッス、A｣
｢なにやってんの……｣
｢いや、驚かせようと思ってたら全然来ないから眠くなって｣
｢ベットの下で眠るのはないでしょ……｣
ゾムは｢助けて〜A〜｣と、私に両手を伸ばしてくる。自分で出れるくせに、と思いつつも両手を引っ張って出してやる。
｢あ、せや！俺DVD持ってきたん！｣
｢……私今から寝ようと思ってたんだけど｣
｢ええやん！どうせくられ先生おらんしへーきへーき！｣
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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みやこ - 貴方様が紡がれるストーリーやキャラの描写、言葉選び全てがあまりにも素晴らしく、飲まれるように一気に拝読させていただきました。zmと夢主の関係性やこの後の展開がどうなるのか思いを馳せながら続編が開く時が来るのをとても楽しみにしております。ご自愛ください。 (10月15日 2時) (
レス) @page50 id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - もっと早くに見つけてればよかった…！！！めちゃめちゃ好きです、続編開くの待ってます…！ (8月25日 14時) (レス) @page50 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
暇人パーリナイ(プロフ) - とても素晴らしい作品で愛読させていただいてます、続編が開放される時を楽しみに日々過ごしています。更新頑張ってください。 (2020年10月11日 22時) (レス) id: 6c369c24d6 (このIDを非表示/違反報告)
mailnoadodapo(プロフ) - 何かもう最高すぎてやばい……やばい!!←大事なことなので2回言いました、貴方の作品初めて読んだんですけど、まじで好きです (*´ω`*)これからも推させていただきますね (2020年7月8日 4時) (レス) id: 71f963574a (このIDを非表示/違反報告)
おじ - 久しぶりの更新とても嬉しいです！疲れない程度に更新頑張ってください！ (2020年1月5日 20時) (レス) id: 9cde916c26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かよ | 作成日時：2019年5月16日 0時
